【40代・50代なら知ってる!?】実家にあったバスケット型「お裁縫箱」は、昭和の玉手箱でした
「サイド面はライン柄を編み込んだバスケット」
「そういえば、脚を見たのは今回が初めてです。脚は木製で高さ4cmと意外に高かった! しまう時にぶつかりやすいのかペイントが少しはげていますね」
「実はふたは何十年も前に蝶番(ちょうつがい)が壊れて、はずれてしまっていましたが、上に載せているだけなのでさしたる問題はなし。右上の写真は、ふたの裏側は針が刺さっても大丈夫なクッション地。右下は、開けると小物仕切りトレーがあり、ここに針山とよく使う糸、裁ちばさみなどが乗っていました。そして左下は、トレーをはずすと大きな空間。さまざまな色の糸やボビン、針の買い置きなどの必需品、ゴム通し針や、何に使うのか不明の便利グッズ、スナップボタン、服から取れてしまったボタンなども詰め込まれていましたよ。 さて、その大きな空間から玉手箱のように出てきたのが昭和の糸たちです」
「天地のマークのデザインも小さな面積の中に品格を感じさせます」
「こちらは手縫い糸。手前3つの赤い紙芯に描かれているのは富士山と鳩。私は覚えていなかったのですが、富士鳩というメーカーの絹糸のようです」
「そして、今も続くダルマ印。糸が少なくなった紙芯をよくよく見たら、五重の塔を眺める舞子さんらしき女性が描かれていましたよ。右上に「京美糸」とあるので、京都製造か、京都をイメージしたブランドでしょうか。それにしても、売っているときにも使っているときにも見えず、ほぼ使い終わるころにやっと出てくる優雅なイラスト、この存在自体が尊く、エモいですね~。昭和のこだわりを感じます。 ちなみに『エジ(プ)ト綿』ではなく(フ)に点々、『エジブト棉』となっていますね。「棉」の字は、常用漢字にはなく、植物のワタを指す字だそうです」
「さて、必要最小限のものを残し、私や妹が自宅で使えそうな道具や素材はもらって、コンパクトにまとめた裁縫箱。結局1箱に入りきらず2箱に。 左の泉屋のクッキーの缶(これも懐かしい)は、昭和時代からゴム紐入れにしていたもの。右はたぶん10年ほど前にベルギー土産でいただいたクッキーの缶。私の家の納戸で発見しました…親に似てものを捨てられない性格です、とほほ」