高尾山で教わる、初心者でも楽しめる山の歩き方。
山歩きの体験を綴ったエッセイも刊行する、イラストレーターの川原真由美さん。 初めてでも安全にどう楽しむか、高尾山で教えてもらった。
初心者でも楽しめる、山の選び方と歩き方。
初めて出かけるならのんびり歩ける山を、と川原真由美さん。自身は40歳を過ぎて山に登り始め、その魅力にすっかりハマってしまった。 「最初のうちは、体力にあまり自信がない人でも楽に歩けるような山から始めるのがよいと思います。少し物足りないかな、くらいのほうがまた山に行きたい気持ちになりますから」 その上で、ロープウェイなどが設置されている山を選ぶと、よりルートの選択肢も広がって安心だという。 「山は下りで事故が起こりやすいんです。整備された道も疲れた足には安全とは限らない。そうした点でも、ケーブルカーやリフトが利用できる高尾山はおすすめ。山が初めての友人と行くときによく選ぶ場所です。安全に楽しい時間が過ごせますよ。ただ服装や靴、最低限の装備は準備して」
涼しい沢沿いを登りリフトで下山するおすすめルート。
ルートの多彩さが魅力の高尾山。中でも6号路で山を登り、山頂から1号路を使ってリフトで下山するのが川原さんのおすすめルート。 「6号路は話しながら登れるくらいなだらかな道が続くので、急に息が上がることがなく、山の気分を味わえます。木の根や石に注意して登っていくと、体が温まった頃に階段が現れる。長い階段ですが整備されているので自分のペースで上れます。 高尾山は初夏にいろいろな花が咲くので、それを見つける楽しみも。汗ばむ時季になっても日差しが入らないから涼しいですよ。 沢沿いで水を感じながら歩けるのもいい。山頂からは舗装された1号路を散策しながらゆっくり楽しめるし、最後のリフトでは絶景を味わえます」
チョコやスナック、飴など好きなおやつを携帯して。
川原さんのザックは軽量で20リットルのもの。
山頂からリフトまで、 下山ルートの楽しいごほうび。
髙尾山薬王院
参拝は時間をかけ、ゆっくりと。 山腹に位置するこちらの寺院は、およそ1300年前に開山され、今でも随一のパワースポットとして知られる聖地。不動明王の化身である飯縄権現(いづなごんげん)がご本尊であり、その眷属(けんぞく)(従者)である天狗の像や面を境内のあちらこちらで見ることができる。広々とした境内には、本堂やお札授与所のある広場から、少し上った本社、奥の院まで参拝しながら、ゆったりと過ごすのがおすすめ。事前に予約をすれば、季節の野菜をふんだんに使った精進料理もいただける。 ●東京都八王子市高尾町2177 TEL.042・661・1115 登山口より登山道1号路を上り徒歩約70分、ケーブルカー高尾山駅より徒歩約20分など。