＜広・神＞9回、無失点で切り抜けて野手陣を迎える岩崎（撮影・北條　貴史）

　◇セ・リーグ　阪神3－0広島（2024年7月2日　マツダ） 　阪神・岩崎が“御礼勝ち星”を挙げた。0―0の9回から4番手で登板。1死から坂倉に中前打を浴びると、赤く染まったスタンドはサヨナラを期待し、大きく盛り上がった。だが、マウンド上のポーカーフェースは崩れない。ここからが、左腕の真骨頂だった。 　「良かったと思います。次も頑張ります」 　まずは菊池を島田の好守にも助けられ、右飛に仕留めた。そして続く矢野を高め直球で左飛に打ち取った。任された1イニングを1安打無失点で、試合の流れをたぐり寄せた。直後の10回に味方打線が3点を奪い、3勝目をゲット。2日前の6月30日ヤクルト戦（神宮）の8回2死一、三塁、山田に左前決勝打を浴びた雪辱も果たし、自らの流れも変えた。 　この日、オールスターのファン投票最終結果発表があり、中継ぎ部門で1位選出。3度のファン投票を含む、4年連続4度目の夢舞台へ向け「たくさん投票していただいた。試合でもいい結果を残せるように頑張りたい」と意気込んだ。そんな左腕がセ・リーグのチームメートの中で「話したい」と名指ししたのは、同じくファン投票選出のDeNA捕手・山本。理由がある。 　「今年、対戦があって、フォアボールでガッツポーズしていた。それをちょっと言ってやりたい」…というのは、もちろん冗談。自主トレをともにしたこともある“後輩”とバッテリーを組む可能性にも言及し「楽しみですね」と話した。 　ファンが選んだ“セ界No・1中継ぎ投手”。その評価に恥じぬ成績を積み重ね、チーム浮上の原動力となる。（松本　航亮）