注目の新技術=ホンダのEクラッチとは?〈新型CB650R/CBR650R開発者インタビュー〉
4月11日に正式発表されたホンダの新型CB/CBR650R。以前より話題になっている電子制御クラッチ“Eクラッチ”搭載車は、なんとMT車との差額5万5000円と、とってもリーズナブルなことも判明した。今回はその正式発表に先立って行った、開発者へのインタビュー記事をお届けする。 【この記事の写真をまとめて見る】→新型ホンダCB650R/CBR650R ◆お話を尋ねたのは、本田技研工業株式会社 二輪・パワープロダクツ事業本部 二輪・パワープロダクツ開発生産統括部 完成車開発部の吉田昌弘さん。今回の650系ではLPL(ラージプロジェクトリーダー)代行として、テスト関係の取りまとめを担当されている。 ◆4月11日に国内でも正式発表されたホンダCB650R/CBR650R。価格はMT車でそれぞれ103万4000円/110万円で、Eクラッチ車はその5万5000円高(CBR650R・Eクラッチののグランプリレッド車は8万8000円高)となる。
主目的はヨーロッパの法規制適合
YM:今回のモデルチェンジのねらいや目的を教えて下さい。 ホンダ:欧州で施行される法規制への適合が目的です。その開発に合わせてヘッドライトや外観の変更、モノクロだった液晶メーターのカラーTFT化などを行っています。 YM:法規制とはどのような内容ですか? ホンダ:OBD2-2と呼ばれるもので、触媒の劣化を検知する機能が要求されます。日本はもう少し先ですが、欧州は今年から施行されます。 YM:今回のCB/CBR650Rでは電子制御クラッチシステム“Eクラッチ”が注目の的ですが、これは当初から搭載予定だったのですか? ホンダ:はい。法規対応をする時点でEクラッチの搭載も決まっていました。
エンジンや足まわりもブラッシュアップ
YM:Eクラッチは後ほどお聞きするとして、ほかにエンジン関係の変更点はありますか? ホンダ:カムシャフトを変更し、従来型よりも若干オーバーラップを増やすことでより優れた出力特性を得ています。 YM:昨今の排ガス規制はとても厳しいと聞きますが、それをクリアしながら少しでも走りを向上させるために開発を重ねている…というわけですね。車体まわりはどうですか? ホンダ:リヤは従来型と同じですが、フロントフォークはより吸収性を高める方向にリセッティングしています。ちなみにサスセッティングはネイキッドのCBもフルカウルのCBRも基本的に共通です。