経営状態が「まずい棒」、銚子電鉄の「だじゃれ」どのように生まれるのか ユニーク商品やあの映画の誕生秘話
質問に答えてくれたのは竹本勝紀社長である。「企画については日頃から社員と立ち話をよくするようにしている。雑談や立ち話から面白い企画が生まれることもある。会議の中から有用な意見が生まれることももちろんあるが、どちらかといえば、雑談から生まれることのほうが多い」。 会議は行っているが雑談の機会も大切で、社員たちからいろいろなアイデアが出ることが多いという。確かに雑談の中だからこそ、生まれる柔軟な発想や面白い内容があるのかもしれない。
■「経営状態がまずい」が発端に 次にネーミングだ。「まずい棒」などのユニークな商品開発はどのように行われたのか。 「まずい棒は、私のビジネスパートナーであり銚子電鉄のアドバイザーである実業家の寺井広樹さんが発案者。当初は本当にまずいものを作ろうと2人で試行錯誤した。2年ほど経った頃、寺井さんが、思い切って“経営状況がまずいにしませんか?”と。それはいいと思い“経営状況がまずい”が、キャッチコピーになった」
さらには、「合言葉は、まずい、もう1本。というイメージで販売した。販売開始は2018年8月3日の破産の日。破産は縁起が悪いので、“破産はいやいや”という語呂合わせで、18時18分にした。寺井さんとの二人三脚で、開発した商品だ」。 また、「“電車にのってほしいも”は、当時の社外取締役が考えた。“再建もなか”は、社員の発案。再建の最中だと社員が言ってこのネーミングになった」。 続いてメディアでも話題になった映画「電車を止めるな!」の制作費についてである。
「実際のところ2400万円くらいかかった。現時点での興業収入は2800万円くらい。では400万円の黒字になっているかというと、当社の収入は約半分だ」 映画館と折半になるため、2800万円だと1400万円ほどということだ。製作費は回収できていない状況だ。 「2400万円はいろいろな費用。何度も撮り直しした。クラウドファンディングやスポンサーさんのご協力もいただいたが、それでも費用が足りなくて。私が借金して、どうにかした」