LINE WORKS、AIによってコールセンターの一次対応を支援するサービス「VOICEIVR」
LINE WORKS株式会社は31日、AI音声応答システム「LINE WORKS AiCall」の新パッケージとして、IVR(自動音声応答)サービス「VOICEIVR(ボイス アイブイアール)」を提供開始すると発表した。 「LINE WORKS AiCall」は、電話の自動対応によりコールセンターの省力化を実現するボイスボットソリューション。自社のAI技術を用いて、シナリオ設計から学習、システム連携までを企業ごとに行うことで、AIによる対応完了率の高いサービスを提供しているという。 従来、この「LINE WORKS AiCall」は、顧客の要件とそれに対する案内が明確な問い合わせ対応に利用されてきたが、近年では、顧客の用件を初期段階で把握し、適切な対応方法を案内する「一次対応」としての活用ニーズが高まっているとのこと。 今回発表された「VOICEIVR」は、こうした市場ニーズに応えて提供されるIVRソリューションで、LINE WORKSが大手金融会社や通信会社の総合窓口における一次対応にボイスボットを導入した実績・ノウハウを生かして開発された。 従来のボタン操作式IVRとは異なり、顧客の自由な発話からAIが用件を認識し、最適な対応方法を判断。AIによる自動対応が可能な案件と、有人対応が必要な案件を適切に振り分けることができる。 特徴は、こうした一次対応のシナリオをあらかじめフォーマット化し、主要なSMSサービスとの連携APIを搭載している点で、文言設定と学習データの調整のみで導入可能なため、ボイスボットを一から開発する場合と比べて、時間とコストを削減できるとした。 なお自動対応としては、よくある質問(FAQ)への自動回答機能を搭載するほか、Web手続きが可能な場合は、SMSでURLを送信して誘導する機能も備えた。一方、有人対応については、問い合わせ内容に応じて、適切なオペレーターグループへ転送可能。部署間での転送を削減し、顧客の待ち時間を短縮する。 LINE WORKSによれば、これらの機能を活用して一次対応を正確に行うことで、先行導入事例では、有人対応の30%削減を実現したとのこと。一方で顧客にとっても、ボタンプッシュ式のIVRに比べて使いやすいUIとなるため、IVRでの離脱率を低減することに成功したとしている。
クラウド Watch,石井 一志