ヒット8本はすべて単打の侍ジャパン、4犠飛で着実に得点重ねてキューバに競り勝つ
野球の国際大会「ラグザス プレミア12」で日本代表「侍ジャパン」は17日、1次ラウンB組の第4戦(台湾・天母球場)でキューバと対戦し、7-6で競り勝って4連勝とし、B組首位で、21日から東京ドームで始まる2次ラウンドへの進出を決めた。
序盤からリードしていた日本だったが、終盤に入った七回、四球に失策とミスから崩れて投手陣は今大会最多失点を喫した。しびれる展開になっても振り切れたのは、相手の猛追にも慌てることなく着実に得点を重ねた結果だった。
同点とされ迎えた八回。先頭の小園が失策で出塁し、すぐに代走の五十幡が登場した。辰己の死球などで一死一、三塁とした場面で打席に入ったのは、15日の韓国戦で右肘付近に死球を受けて打撲と診断され、前日の台湾戦は欠場していた栗原だった。マウンドにいたのはモイネロ。ソフトバンクでチームメートだからこそ「すごく力が入った」。フルカウントから粘った末に直球を捉えて左翼へ飛球を打ち上げると、三塁走者の五十幡がホームに滑り込み、1点をもぎ取った。
本塁打や長打は出ず、チーム安打は相手より2本少ない8安打。それもすべて単打だった。それでも三回に森下、四回には佐藤、五回は佐野と、犠飛でしっかりと得点した。井端監督は「いいコンタクトをしてくれた」と効果的に打点を挙げた攻撃陣をたたえた。
「全員が力を出し尽くしながらやっていたし、先発も中継ぎもみんなで耐えながらやっていた。そういう中で勝ててよかった」と栗原。雨と風が吹きつける悪条件の中で、侍ジャパンが一丸となってタフさを見せつけ、次のラウンドへ駒を進めた。(平島さおり)