50代の7割以上「老後の資金確保ができていない」会社員が退職までに老後資金を作る方法
――「働いたら年金が減らされる」と聞いたことがあります。 「心配しなくて大丈夫です。年金プラス給料、正確に言うと報酬比例部分。プラス給料がひと月50万円を超えなければ、減らされることはありません。そして減らされない方もいます。ずっと国民年金でいる方、そして『退職後は厚生年金には入らないよ』という方は、どちらも年金を減らされない人ですから、ぜひ頑張って働いてください」 50代は会社員の生涯年収がピークを迎える世代です。子どもが独立して収入に余裕が生まれ、財布のひもが緩む家庭も多いでしょう。しかし、50代を過ぎたらすぐに定年は見えてきます。「役職定年」や「定年」が解かれた時の収入の落差は大きいので、気を引き締めて自分の固定費や変動費を見直しましょう。
投資の前に大切にしたい資産形成の3つのステップ
では、投資をスタートさせたい方に向けて、具体的な資産形成の方法を3ステップに分けてご紹介します。 ステップ1 生活費の3ヶ月分から半年分、自営業の方は1年分を普通預金で貯める。 ステップ2 5年以内に使うお金+αのお金を個人向け国債や定期預金で確実に増やす ステップ3 1と2でも使わないお金でNISAなど投資に使って増やす 最初のステップは出し入れしやすい「普通預金」にお金を入れること。クレジットカードの支払いとか、水道光熱費の支払いとか。その上に絶対に元本割れしない、強靭な資産形成の土台を作ります。
2つ目のステップにぴったりなのは「定期預金」や少し金利が高い「個人向け国債」「円建て保険」などです。これができるだけ分厚いほど、万が一その上にある積極的にリスクを取るような投資のステップに行った時に暴落が来ても、安心して資産形成を続けられるので2番目のステップが1番大事です。 ファイナンシャルプランナー 山口さん: 「確実に増やそうと思うのであれば、個人向け国債を使うのがおすすめです。元本割れがないので、投資初心者にとって安心です。近くの金融機関であれば個人向け国債を購入でき、NISAデビューもできるので近くの金融機関に相談してみると良いでしょう」 ファイナンシャルプランナー 山口さん: 「1つ目と2つ目の資産形成の土台がしっかりできたら、この3つ目の「リターン重視で増やす」。iDeCoやNISAなどで上がったり下がったりがありますけど、リターン重視で積極的に増やしていっていただきたいと思います」 ―――退職金の使い道のコツは? 「退職金をそのまま貯金に回す人もいると思いますが、3つの財布に分けておくのが良いと思います。1つ目は普通預金、2つ目は定期預金や個人向け国債。そして3つ目はNISA口座。3つ目の財布はいくらなら積み立てられるのかを割り出して、毎月NISA口座に入れていくことをおすすめします」