50代から特に注意したい「目の病気」2つとは?気づかないまま進行するからコワい
失明のリスクが高くなる「加齢黄斑変性」とは
眼球の奥にある網膜には、光や色を感じる視細胞が集まっています。その中心部にある黄斑部は、色を識別したり、物の細部を見分けるなど、視力を司る働きをする部位。ここが加齢で異常をきたす病気が「加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)」です。 「物が歪んで見えたり、中心部が暗く見えたりするのが特徴です。特に、黄斑部の中心にある『中心窩(ちゅうしんか)』と呼ばれる直径0.4mmほどの小さなくぼみには視細胞が集中しているため、ここに変性が及び重症化すると、失明のリスクも高くなります」と清水さんは警鐘を鳴らします。 実際に、失明原因の第4位の病気です。加齢以外に、ストレスや紫外線、遺伝的な要因も危険因子と考えられています。 ■網膜の「黄斑部」に変性が起きる病気です 加齢黄斑変性には変性の仕組みによって「滲出型(しんしゅつがた)」と「萎縮型」があり、日本人に多いのは「滲出型」です。黄斑部の網膜の下に、本来存在しない「新生血管」が増殖し、そこからの出血などが原因で発症します(上図)
「加齢性黄斑変性」危険度チェック
□物が歪んで見える □中心が暗くてよく見えない □物がぼやける □物が小さく見える □色が前と違った色に見えることがある □作業している手元が見えにくい 1つでもチェックがついた人は加齢黄斑変性の可能性が!
加齢性黄斑変性の治療について知っておきたいこと
滲出型の加齢黄斑変性の治療はレーザー照射が主流でしたが、近年は新生血管の成長を抑える物質を眼球に直接注射する「抗VEGF療法」が第一選択肢に。処置は数分で入院の必要もなく、負担の小さい治療法といえます。 次回は他にも気を付けたい目の病気とチェック法を紹介します。 取材・文=新井理紗(ハルメク編集部)、イラストレーション=落合恵 ※この記事は、雑誌「ハルメク」2024年3月号を再編集しています
雑誌「ハルメク」