【明日の金ロー】映画の世界的大ヒットで「富士山コンビニ」と同じ現象が!? 「アナと雪の女王」
29日からの金曜ロードショー(後9時)は、”冬のディズニー特集”として、3週連続でディズニーの人気作品を放送。第1弾は冬といえばコレ! と言っても過言ではない「アナと雪の女王」(2013年、日本公開は14年)が放送枠を5分拡大して本編ノーカットで登場する。金ローでは、21年11月以来、3年ぶりの放送だ。 アレンデール王国の姫であるエルサとアナは仲の良い姉妹。だがある日、エルサは自らが持つ魔法の力でアナを傷つけてしまったことにより、部屋に閉じこもってしまう。その後、両親が事故で亡くなったことでエルサは王位を継承することになるが、触れるものを凍らせるという魔法の力は、徐々に強くなっていた。 一方、天真爛漫(らんまん)なアナは、エルサの戴冠(たいかん)式で会ったハンスに一目ぼれ。結婚の約束をする。だが、エルサは「あなたは本当の愛を知らない」とアナの結婚を認めようとしない。姉妹が反発するうちに、エルサの魔法の力が暴発し、王国一面を雪と氷の世界にしてしまう―。 日本では公開から16週連続で週間興行収入トップを獲得(ちなみに、記録をストップさせたのは、アンジェリーナ・ジョリー主演の同じディズニー作品「マレフィセント」だった)。最終的な興収は国内歴代4位の255億円を記録した。米サイト「Box Office Mojo」によると、全世界の興収は13億ドル(約1960億円)超となっている。 世界中で大ヒットしたことで起きたのが”聖地巡礼”によるオーバーツーリズムの問題。物語の舞台であるアレンデールは架空の都市だが、モデルとされているが、ノルウェーのベルゲン。首都オスロに次ぐ第2の都市として知られる。 だが、問題が起きているのはベルゲンではなく別の場所。それがオーストリア中部にあるハルシュタットという小さな街だ。同国は海に面していないが、ハルシュタット湖のほとりにあり、見る場所によっては海の入り江に臨むアレンデール城の雰囲気を味わうことができるということで、観光客が殺到し、地元住民の生活が脅かされたという。 そこで地元が苦肉の策ととして考えたのが、一番の”映えポイント”に木の壁を作って写真撮影をできなくなってしまうこと。アレ、これってどこかで聞いたことあるような…。そう、山梨県富士河口湖町にあるコンビニが屋根の上に富士山が乗っているように見えると話題になり、外国人観光客らが殺到したため、黒い幕を張って写真を撮れなくしたのと全く同じだ。 地元の人たちに迷惑をかけないというのは最低限のマナー。「行くな」とまでは言えないが、作品を楽しむのと同様に節度を守って観光をしたいものである。(高柳 哲人)
報知新聞社