モチーフはMOMA収蔵の電卓。30年以上も人気のデジタルウォッチ
1988年の発売以来、一貫して当時のデザイン、機能を守り続けているカシオのデジタルウォッチA168に“クラシカルなニューカラー”が加わりました。ニューカラーは、ブラックとシルバーの二種類。どちらも同社のカード電卓「SL-800」をモチーフにしたデザインです。 【全画像をみる】モチーフはMOMA収蔵の電卓。30年以上も人気のデジタルウォッチ
モチーフになった電卓はMOMAに収蔵
SL-800は、1983年に発売されたカードサイズの電卓。当時は電子技術の進歩により「軽薄短小」製品がもてはやされていた時代ですが、SL-800はクレジットカードサイズで厚さ0.8mm、重量12グラムを実現したハイテク時代の象徴的モデル。 電卓の小型化・薄型化を極めた製品として、国立科学博物館が主催する2013年度重要科学技術史資料(未来技術遺産)に登録され、ニューヨーク近代美術館(MOMA)にも収蔵されたほどの逸品です。
グッドデザインも受賞した「デジタルウォッチの原型」
このSL-800のカラーリング、フォントをデザインに落とし込んだのが今回のニューモデルです。 とくに、ニュアンスの異なる2つのゴールドカラーとレッドのアクセントカラーをフェイスデザインに落とし込んだシルバーモデルは秀逸。見比べると紛れもなくSL-800のカラーリングなのですが、もともと時計用にデザインされたかのように違和感がありません。単なるオマージュを超えた、レトロフューチャーなデザインセンスが光ります。 ベースとなるデジタルウォッチのA168は、登場から30年以上経過するものの、まったく旧さを感じさせないバランスのいいデザイン。38.6×36.3×9.6mmと適度なサイズ感が魅力的。 コンパクトフェイスがデザイントレンドになってきた昨今では、逆に新しく感じられるほどです。機能はシンプルながら必要十分。日常生活防水、1/100秒ストップウオッチ、時刻アラーム、ELバックライトを装備します。 実はこのA168、2011年にロングライフデザインが評価され「グッドデザイン賞」を受賞。「基本機能を素直にデザイン表現した本商品は世に数多あるデジタルウォッチの原型」とスタンダードなデザインが評価されました。 受賞からさらに10年以上経ったいまでも新鮮さを失わず、さらにクラシカルなカラーリングをまとうことで、レトロフューチャーな雰囲気に磨きをかけています。10年先、20年先でも愛されるロングライフピースになりそうな気配です。 Source: CASIO
Yohei Arai