食洗機を使うと食器が痛むって本当ですか? 傷がつかないか心配です【家電のプロが解説】
洗い物の手間を大幅に軽減してくれる食洗機。ですが、強力な洗浄力で食器が痛んでしまわないか心配な人もいるでしょう。実際のところはどうなのでしょうか。 【画像で解説】食洗機と手洗いはどちらが節約になる? 「All About」デジタル・白物家電ガイドのコヤマタカヒロが回答します。 (今回の質問) 食洗機を使うと食器が痛むって本当ですか? 傷がつかないか心配です。 (回答) 食洗機は50~80℃のお湯で洗うため、耐熱性の低いプラ容器や銀、アルミの食器、漆器などは洗えません。 どういうことなのか、以下で詳しく解説します。
◆食洗機の高温に耐えられない食器もあります
手洗いと食洗機で食器を洗う場合でもっとも違う点が、洗浄するお湯の温度。手洗いの場合は40℃前後までしか使えませんが、食洗機では50~80℃の高温で洗うことができます。この高温洗浄により、油汚れなどをしっかり落とすことができるというわけです。 ただし、この高温に耐えられない食器もあります。例えばお弁当箱などの耐熱温度が低いプラスチック容器。これらは高温で洗浄することにより変形したり、ゆがんでしまったりすることがあります。 また、漆器や木製の食器、金箔や上絵が施された陶磁器なども食洗機では洗えません。高温のお湯がかかることによる熱変化で素地が膨張したり、ゆがんでしまい、漆や装飾にひび割れが入ったり、剥がれてしまうリスクがあります。このほか、金銀メッキを施したお皿やスプーン、ナイフなどのカトラリー、クリスタルガラスの食器やグラスなども曇ったり、変色したりする可能性があります。
◆洗剤や強い水流が原因で痛む場合も
高温だけでなく、食器洗い洗剤や強い水流が原因で洗い物が痛むことも。例えば、コーティングのない鉄のフライパンやステーキ皿などは、食洗機で洗うことで表面の油をきれいに洗いすぎると、サビが発生することがあります。また、コーティングに傷が付いているフライパンなどは、強い水流で洗うことで、コーティングがはがれてしまうこともあるのです。 対策としては、基本的に食洗機対応と記されている食器を使うことが大切。プラスチック容器などを使う場合には耐熱温度をチェックするようにしましょう。また、食洗機にも湯温設定ができる場合があるので、耐熱温度にあわせて設定するのも良いと思います。 食洗機で洗える食器、調理器具はメーカーや製品によっても異なるため、マニュアルをしっかりとチェックしましょう。 この記事の筆者:コヤマ タカヒロ 1973年生まれ。家電とデジタルガジェットをメインに雑誌やWebなど様々な媒体で執筆するライター。執筆以外に監修やコンサルティングなども行っており、企業の製品開発、人材教育、PR戦略に関するアドバイザーなども務める。米・食味鑑定士の資格を所有。家電のテストと撮影のための家電スタジオ「コヤマキッチン」を用意。
コヤマ タカヒロ