【雪山登山の注意点】始める前に知っておきたい基礎知識
Q3.夏山にない、雪山ならではの天候はどのようなものがありますか?
A。西高東低の気圧配置となり、等圧線が密になると北よりの季節風が入り日本海側の山岳地域では強い風雪に。太平洋側では乾燥した冷たい強風となります。もちろん無風快晴の天候の日もあります。 ■1。低気温。 ■2。暴風雪。 ■3。強風。 緯度の高い北海道や東北、標高の高いアルプスなどは、髪の毛や水滴のついたニット帽、スマホまでが瞬く間に凍るようなマイナス気温にも遭遇する。そんななかへ登山に行くと肝に銘じて防寒対策を行なうことが大切。また、吹雪によって視界が悪化し、目的地まで予想以上に時間を要することも。現在地や進むべき方向を的確に見極めるためのスキルも求められる。強い風にも最大限の注意が必要だ。佐藤さん曰く「そのへんに置いておいたものが一瞬で消えてしまうほどの強風はざら。同じ風速10mでも、気温差も影響して冬の風速10mは夏の風より3倍くらいつらく感じます。雪山の風は命の危険を感じることがしばしばある」。
Q4.雪山特有の地形的な危険にはどんなタイプのものがありますか?
A。雪崩がイメージしやすいですが、足元にも注意が必要。雪庇やツリーホール、スノーブリッジ(下に水が流れる橋状のアーチ地形)などを踏み抜くこともあります。木々から落ちてくる雪にも注意です。 ■1。ツリーホール 転落に注意が必要なツリーホールは樹木のまわりにできる深い穴。 ■2。雪庇 雪庇は尾根や稜線付近の風下側にできる雪の吹きだまりで、上から気づきにくい。 ■3。雪崩 雪崩は吹雪の最中やまとまった降雪の直後に起きやすく、人為的な刺激が誘発することが多い。沢状の地形は雪崩が集中しやすく小規模でも被害が大きくなる可能性がある。
Q5.初冬とゴールデンウィーク、雪山スタートに適したタイミングはどっち?
A。雪山は残雪期からのスタートが好ましいです。その一因が日照時間。冬と春とでは日没に2時間以上の差があり、下りにさしかかる時間帯でも春はまだ雪が緩んでいて、歩きやすいからです。 冬至の日照時間は10時間弱。17時前には日没してしまう。時間的なリミットは精神的な焦りにつながり、トラブルに発展することも。日が長い季節に雪山を始めるのがベター。