【ヴァン クリーフ&アーペル】のジュエリー、「アルハンブラ」|人生を彩る名品図鑑
メゾンの卓越したクラフツマンシップ、比類なき完璧なデザイン、素材への飽くなき追求……。時代を超えタイムレスな輝きを放つ名品には必ず、“愛され続ける理由”がある。連載「人生を彩る名品図鑑」では、そんな名品が名品たる所以を徹底解剖。 【写真】ヴァン クリーフ&アーペルの名品、「アルハンブラ」をもっと見る 今回紹介するのは、ヴァン クリーフ&アーペルの「アルハンブラ」。
毎日の装いにマッチする、“デイリージュエリー”としての魅力
アルハンブラ コレクションが永く愛される理由は、デイリーなスタイリングに取り入れやすい、その使いやすさにもある。ゴールドや貴石、ハードストーンといった、鮮烈な色彩と輝きをまとった天然素材のジュエリーを、指に、デコルテに、そして手首にいくつも重ねたり、他のジュエリーと組み合わせてつけるというアルハンブラの遊び心溢れるスタイルは、日に日に柔らかく、流れるようなシルエットへ変化していった1960~70年代当時のファッションとぴったりマッチしていた。 そして実際に、毎日身につけられることを想定してデザインされており、1968年に「アルハンブラ ロングネックレス」が誕生した際には、ハイジュエリーよりも身近でデイリーに取り入れられるジュエリーを提案する、当時としては新しいコンセプトを掲げたパリ・ヴァンドーム広場22番地にある店舗「ラ ブティック」に並べられ、そこから人気を集めていったという。 エレガントにもモードにも、そしてカジュアルにも、どんなスタイルにも見事に調和する、洗練されたデザイン。職人技が光る、なめらかなつけ心地。そして、日常に寄り添う“お守り”としてのアルハンブラの世界観。これらすべてが、“ラグジュアリーなデイリージュエリー”という全く新しい価値観を築き、今日のジュエリーの在り方にも多大なる影響を与えている。
常に進化を続ける、多彩なコレクション
1968年の誕生から50年以上、アルハンブラ コレクションはオリジナルのデザインを反映した「ヴィンテージ アルハンブラ」を中心に、幅広い天然素材や多彩なシンボル、サイズ違いのモチーフを加えながら、絶えず新しいデザインを提案し続けている。特にターコイズ、ダイヤモンド、オニキス、カーネリアン、マラカイト、真珠といった貴重な天然素材のバリエーションの豊富さは見事。素材によりそれぞれ表情が異なるので、コレクター心をくすぐるはずだ。 現在展開しているコレクションは全部で6つ。ここからは各コレクションの特色を紹介しよう。