【速報】「上司の厳しい叱責を逃れたい一心」が動機 京都市に不正請求した男、有罪判決
京都市の新型コロナウイルスワクチン接種コールセンターの委託料を不正請求したとして、詐欺罪に問われた委託業者「日本トータルテレマーケティング」(東京都)の元社員の男(48)の判決公判が7日、京都地裁であり、山口智子裁判官は懲役2年6月、執行猶予3年(求刑懲役3年)を言い渡した。この事件で起訴された元社員2人はともに有罪判決を受けた。 判決によると、男は、部下だった元社員(42)=詐欺罪で有罪判決=と共謀し、2022年9月分の委託料に関し、虚偽の資料を京都市に提出し、約2700万円の返還を免れた。22年10~12月分も虚偽の資料を市に提出して委託料約5億5500万円を振り込ませ、水増し分約3千万円をだまし取った。 山口裁判官は判決理由で、市に委託料の裏付け資料を求められた後に虚偽の資料を提出した経緯について「上司の指示に従わざるを得ない面があったとはいえ、上司の厳しい叱責(しっせき)を免れたい一心で、部下をも巻き込み誤った選択をした」と非難した。被告に金銭的な利得はなく、不正受給分が市に返還されているとし、刑の執行を猶予した。