「デモ」や「花火」の参加人数ってどう数えるの?
メーデーの場合では?
デモや集会を主催する団体は、どのように参加人数を推計して発表されているのか。毎年5月1日に代々木公園でメーデーを運営している全国労働組合総連合(全労連)の事務局次長を務める渡辺正道さんは、こう言います。 「メーデーの場合は、東西南北4つのブロックごとに分かれ、各加盟単組や市民団体、さらにその末端支部や分会などが個別に参加人数をブロックごとに集計し、それらがメーデー実行委員会に報告され、合計するわけです」 しかし、数字の積み重ねの場合、各組織に割り振られた動員目標に数字を合わせたり、複数の団体に所属している人は重複してカウントされたりして、動員の水増しがあるのではないかと指摘されています。 「たしかに、以前はそういう指摘もあったのかも知れません。しかし、現在はできるだけ実数に合わせて公表することにしています。会場の規模などから推測して入りきれないほどの数値になるようなことはありません。(こうした集計方法は)3年ほど前からですね。このように集計した数字だけでなく、警察で把握している人数を事前に確認し、それらの数字と集計した数字との調整も行います。警察による数字がマスコミなどで報じられ、こちらの発表した人数との誤差が大きくならないようにするためです。結局のところ、報道に触れた人たちに対して信頼性をいかに保つかが重要と考えています」 このように集計された結果として、今年の全労連メーデーは、2万7000人と発表されました。
三社祭やサンバカーニバルのようなイベントでも、デモや集会などの社会運動でも、その実数を正確につかむのは困難です。いずれの場合も、「目安」でしかないのです。その点を考慮して「参加人数」という数字を理解した方がいいかも知れません。 (ライター・渡部真)