「デモ」や「花火」の参加人数ってどう数えるの?
浅草周辺のイベントでは?
実際のイベントごとの集計方法はどうなっているのでしょう。 毎年7月末に行われる隅田川花火大会。今年は7月25日に開催され、合計約2万発もの花火が打ち上げられ、主宰団体によると、96万3000人もの人が集まりました。 主催した運営事務局が設置されている、墨田区文化振興課の堀敬一さんに聞きました。 「例えば墨田区の観測の範囲は区内の交通規制区域内としています。このような大規模なイベントの場合、どこかで区切らなくてはいけなので、花火大会の場合は交通規制が敷かれている範囲を観客の範囲としているわけです。その規制区域内に、墨田区では23か所の定点観測ポイントを設置し、職員を配置しています。例えば、個々の観測ポイントで、平均的に1平方メートルあたり何人いるかを確認し、その人数に面積を掛けて割り出します。それを、17時から20時30分まで同じ時間に合わせて定期的に行い、各観測ポイントごとの合計人数を算出し、23か所の数値を合計した数が、墨田区内の観客数となります。台東区や中央区でも同じ方法で観測・算出し、その3区の合計人数が、今年で言えば96万3000人ということです。あくまでも目測での観測に面積を掛け合わせるという推計方法ですので、正確な数字であると言えるかと言われると、誤差はあるかも知れません」 例えばずっと同じ所に座って見ている人は、すべての計測時にカウントされてしまいます。また、計測時間ごとに別の観測ポイントに移動していれば、その人もすべてカウントされる事になります。逆に、飲食店など隅田川周辺の建物や屋形船から見ている人は、計測されてないかもしれません。こうしたことから、堀さんはあくまでも目安であることを強調しました。 浅草神社で毎年5月中旬に行われる三社祭も、たくさんの人であふれます。今年、三社祭に訪れた人は、主宰団体によると3日間合計で約185万人。最終日だけで約99万人が訪れたとされています。 三社祭を主催している浅草神社奉賛会に算出の仕方について聞くと、「毎年の参加状況との比較や、個々の町会などの状況、さらに地元警察などとの連携などによって推計したもの」とのこと。三社祭は、3つの御輿が3日間、浅草神社周辺の四十四町会を練り歩きます。ですから、それに伴った観光客も移動しやすく、なかなか正確な数字を算出するのは難しいようです。 同じく浅草で開かれる浅草サンバカーニバル。毎年8月末に開かれ、昨年は約50万人の観光客が訪れました。今年は8月29日に開催される予定で、やはり同程度の観光客が見込まれています。主催する浅草サンバカーニバル実行委員会に話を聞いたところ、浅草周辺の5つの駅(東武浅草駅、東京メトロ浅草駅・田原町駅、都営浅草駅、TX浅草駅)の乗降客数の推移と、地元警察の協力などによって算出しているそうです。 浅草界隈で催される3つのイベントでは、花火大会のように行政が細かく計測をしているものもあれば、三社祭やサンバカーニバルのように、主催団体によって算出方法が異なるものもあり、その数字の実態も正確さを担保しているとは言えないようです。