大谷翔平より半世紀以上前にメジャーのマウンドに立った日本人。世界で活躍できるアスリートの増加とスポーツビジネスの関係性
選手という「資産」が売買の対象に
こうした背景には、単純に優れた日本人アスリートが増えたこともあるが、スポーツのビジネス化とグローバル化が進んだ影響も大きい。 今日のプロスポーツビジネスは、選手という「資産」が国境を越えて移動し、プロスポーツリーグやチーム、あるいはスポンサー企業などのRОI(投資対効果)を最大化させるマネーゲームにほかならない。 日本にも優良な「資産」がたくさん眠っていると、アメリカやヨーロッパのスポーツチームは気づいたのだ。 日本のアスリートたちはよくも悪くも金融商品と同様に売買の対象になり、欧米のスポーツビジネスに取り込まれていった。 「日本の若者は内向きになった」と言われて久しいが、少なくともスポーツ選手は明らかに「外向き」志向が加速している。 トップアスリートが「世界を相手に勝負したい」あるいは「もっと稼げる場所でプレーしたい」と思うのは自然なことだ。 内野宗治 1986年東京都出身。国際基督教大学教養学部を卒業後、コンサルティング会社勤務を経て、フリーランスライターとして活動。『日刊SPA!』『月刊スラッガー』『MLB.JP(メジャーリーグ公式サイト日本語版)』など各種媒体に、MLBの取材記事などを寄稿。その後、『スポーティングニュース』日本語版の副編集長、時事通信社マレーシア支局の経済記者などを経て、現在はニールセン・スポーツ・ジャパン株式会社にてスポーツ・スポンサーシップの調査や効果測定に携わる。
内野宗治