【ローズS】能力上位、条件好転のクイーンズウォークを信頼 前走内容“オークス級”のカニキュルらも警戒
中京芝2000mは先行馬が有利
今年のローズSは2020~22年と同じ中京芝2000mで開催される。ただし、過去3回は開催2週目だったが、今年は連続開催の中京12日目、Bコース使用1週目に行われる。先週の段階でBコース時の内ラチ付近となる、中目の馬場が伸びていなかったことから、Bコース替わりとなっても内側がやや悪化している想定だ。 【ローズステークス2024 推奨馬】先行力生きる舞台、条件次第で勝率75%データ該当で確勝級! SPAIA編集部の推奨馬を紹介(SPAIA) 中京芝2000mは前半で急坂を上り、向正面でも緩やかに坂を上っていくコース。加えて、初角までの距離が314mと短いので前半はゆったりとした入りで、スローペースになりやすい。 実際に中京開催時の過去3回は高速馬場のなか、いずれも5F通過が60秒2以上のスローペースとなっており、2021年には12番人気のエイシンヒテンが逃げて2着に粘り、波乱決着となった。内目の馬場がやや悪化していたとしても、基本的には先行有利のコースなので、それを踏まえて予想したい。
能力値1~5位の紹介
【能力値1位 レガレイラ】 GⅠ昇格後のホープフルSを牝馬で初めて優勝した馬。このレースは13番枠から出遅れて後方からの競馬となったが、直線で差し切って3/4馬身差での完勝。内で詰まった馬や不利を受けた馬が数頭いたものの、3~4角で大外を回るロスがありながらの勝利は強い内容だった。今春は牡馬クラシックに参戦したが栄冠には届かず、この秋は牝馬路線に矛先を向けてきた。 前走の日本ダービーは5着。2番枠からまずまずのスタートを切って位置を取りに行ったが、外枠勢が早々と被せてきたため、控えて中団の内を追走。道中はかなりペースが遅く、向正面でコスモキュランダなどの後方勢が押し上げて行ったが、レガレイラは内で動けずポジションダウンして3角へ。 3~4角で最内を通り、直線序盤では強引に大外へ誘導されたが、そこで前との差が広がってしまった。ラスト2Fでようやく伸びはじめ、残り1Fではしぶとく差を詰めて4着争いに加わったが5着に敗れた。 前後半5F62秒2-56秒8の超スローペースだったことから仕掛けが遅れたのは確かで、展開も騎乗もはまらなかった。ただ、勝ち馬ダノンデザイル同様に枠の利を生かして内々をロスなく立ち回れていたことが、最後の伸びにつながっていた面もあった。 ここでは能力値、最高値ともに1位。スタートしてから位置を下げる必要がない大外枠もいいだろう。鞍上のC.ルメール騎手は2022、23年のGⅠで8枠【2-3-0-1】と活躍し、「大外枠のルメール」といわれるほどだ。ただ、ペースが上がりにくい中京芝2000mの舞台は、差し脚質のこの馬に合っていない。また、今回はこの先が目標の始動戦でもあることから、相手候補の1頭という評価だ。 【能力値2位タイ クイーンズウォーク】 デビュー3戦目にクイーンCを後方外から差し切り勝ちした実績馬。2走前の桜花賞はクイーンC好走の疲れがあったようで、最後の直線は伸び切れず8着に敗退。また、結果的には外から被されて位置を下げる形だったが、2番枠から思い切って前のポジションを狙っていったことも影響した。 前走のオークスでは4着。2番枠から好スタートを切り、コントロールしながら好位の内目を確保。道中は前2頭から離れた5番手を追走した。ペースが速く、3~4角で前が早々と失速して下がるなか、外目に誘導しながら2列目の外で直線へ。 直線序盤で先頭列に並びかけると、ラスト2Fで追われて先頭に立ったが、そこから手応えが怪しくなり、ラスト1Fは甘くなって3着争いの4着に敗れた。 ただし、前半5Fは57秒7と良馬場のオークスではかなりのハイペースだった。差し、追込馬が1~3着を独占する展開を、大幅な距離延長だったにもかかわらず、早めに仕掛けての4着は内容が濃い。最後に甘さを見せたのは距離による影響があったと見ている。今回は距離短縮での芝2000m戦。条件好転で能力値も2位タイであるこの馬を本命に推したい。 【能力値2位タイ カニキュル】 デビュー2戦目の未勝利戦で、中団からラスト2Fで一気に先頭に立つ競馬で好指数勝ちした素質馬。2走前のフローラSは外枠不利傾向の開幕週・東京芝2000mで、大外枠から終始中団の外々を回る競馬で3着に食い込み、着順以上の強さを示した。 そして、前走では1勝クラスの三浦特別を勝利。5番枠から好スタートを切り、先行争いに加わったが、内のニューステソーロが先手を取るとその後ろに入れて3番手で折り合いに専念した。道中は掛かり気味だったが、何とか抑えて3角に入ると、逃げ馬の直後まで上がって2列目の外で直線へ。序盤で前2頭の間からしぶとく伸びて逃げ馬に並びかけると、ラスト1Fで抜け出して1馬身1/4差で完勝した。 この前走で記録した指数は1クラス上のもの。斤量差こそあるが、今年のオークスであれば3~5着(クイーンズウォークと同じレベル)に相当する優秀なものだった。出遅れ癖も解消され、折り合いもつくようになっているので、チャンスは十分にあると見る。重い印を打ちたい。 【能力値2位タイ チェレスタ】 昨年の7月にデビューしながらも、その後の骨折でクラシック路線を走れなかった馬。復帰戦となった未勝利戦で勝利すると、次走1勝クラスでは、終始中団の外々を回るロスがありながら2着に善戦。そして夏の小倉最終週、ややタフな稍重馬場で行われた前走で2勝目を挙げた。 その前走は6番枠からやや出遅れたが、そこから外に誘導して1角で好位の外を確保した。道中は内から2頭分外を追走していたが、3角手前から楽な手応えで2列目まで上がると、3~4角でも外から押し上げて先頭のアクアヴァーナルに並びかけた。直線序盤は、同馬と追い比べの形となったが、ラスト1Fで抜け出して1馬身1/4差で完勝した。 前走は終始2頭分外を回し続けての勝利であり、記録した指数以上のスタミナを感じさせる強い内容だった。今回は自己最高指数を記録後の一戦となり、その疲れが心配ではある。しかし、まだキャリア4戦と浅く、さらなる上昇を見せても不思議はない。 【能力値5位 サンセットビュー】 今春の牝馬クラシック路線では通用しなかったが、前々走の芝2200m・1勝クラスでは2着。3番枠から五分のスタートを切り、中団中目を追走。向正面で外からランスオブクイーンが捲っていくと、そこで外目に誘導して同馬のひとつ内から押し上げていった。4角では2列目の中目付近、直線序盤で外のランスオブクイーンが仕掛けた後に追われた。序盤の伸びはひと息だったが、ラスト1Fではひと追いごとに同馬との差を詰め、1馬身1/4差まで迫ってゴールした。 上述のランスオブクイーンは、オークスでクイーンズウォークより先に動いて、3着争いの5着だった馬。オークスで好走した疲れで、このレースの指数はややダウンだったものの、この馬相手にオークス時よりも差を詰めて、自己最高指数を記録したサンセットビューは評価できる。春は末脚を生かす競馬で結果を出せなかったが、道中で早めに動きスタミナを生かす形で強くなった。 前走の揖斐川特別(1勝クラス)でも2着。2番枠から五分のスタートを切り、内から先手を取ったタガノデュードの後ろに入れていったが、外から他馬がタガノデュードに競っていったので、ここで2列下げた4番手を追走。向正面の半ばからは、前との差をじわっと詰めて3番手で3角へ入ると、3~4角では前2頭の外に誘導して直線入口では2番手に。前のタガノデュードに並びかけてラスト1Fでは先頭に立ったが、最後は外からヤマニンステラータに強襲され、半馬身差で敗れた。 このレースは2走前に休養明けで好走した疲れが出て、凡退してもおかしくなかったが、崩れず健闘したことは評価できる。2走前の走りが負担にならないレベルまで成長したということだ。この馬は早めに動いてもバテないことが強み。ここもある程度、前の位置でレースを運べれば怖い存在で、現在の傷んだ内の馬場を通したとしても最後まで持ってしまいそうだ。