「玄米vs白米」ヘルシーなのはどっち?栄養士がメリット&デメリットを解説
玄米vs白米――あなたが普段、選んでいるのはどちらだろう? 玄米と白米には、どちらにもメリットとデメリットがある。近年、糖質制限ダイエットなどにおいて「悪者扱い」されることが増えた白米だが、実際のところ、玄米とはどのような違いがあるのだろうか。アメリカの栄養士5人から、それぞれの特徴や健康面への影響などを教えてもらった。 【写真】お米マイスターに聞く! お米をもっとおいしく食べるコツと選び方 健康のためにどちらを選ぶべきか悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみて!
玄米と白米の違い
管理栄養士のマヤ・フェラーさんは、「基本的には、好きな種類の米を食べるべきです」と強調する。 玄米と白米の主な違いは、全粒穀物であるか、そうではないかということ。管理栄養士のキャサリン・ぺレスさんはこれについて、次のように説明。「玄米などの全粒穀物の場合、白米などの精製加工された穀物からは取り除かれている糠(ぬか、小麦の場合はふすま)と胚芽が、どちらも残っています」 また、管理栄養士でシェフのテッサ・グエンさんによると、より短時間で炊ける白米のほうが、「玄米よりも便利」な一面もあるそう。どちらもさまざまな料理で使用することができるが、白米の柔らかく、もちっとした食感に比べ、玄米は噛みごたえがあり、さらに栄養価が高いことが特徴的な違いだという。 白米は、精白されるその他の穀類と同じように、精製の過程で栄養価の大半が失われてしまう。白米や精白パン、精白小麦粉などの「加工された白い食品」は、全粒穀物よりも血糖値が上がりやすく、2型糖尿病や体重増加につながる可能性がより高いことから「健康に悪い」と考えられてしまうが、「実際には、それほどシンプルな話ではない」と、ぺレスさん。 それでは、それぞれのメリットとデメリットについて、詳しくみていこう。 ※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。
玄米のメリット
運動生理学の専門家で、管理栄養士でもあるジャネット・ブリルさんによると、過去の研究結果では、玄米をとることによって、心血管疾患と死亡のリスクがどちらも大幅に低下していたことが示されている。 ・食物繊維が豊富:複合糖質(他の化合物と結合した炭水化物)である玄米は、食物繊維とファイトニュートリエント(またはフィトケミカル、植物が有害なものから身を守るために生成する化合物)を豊富に含んでいる。ブリルさんは、前述の研究結果が示すのは、「食物繊維とファイトニュートリエントはどちらも、腸の細菌叢と免疫系、心血管の健康に良いということ」だと説明している。また、フェラーさんは、玄米1カップには約5グラムのタンパク質と約3グラムの食物繊維、複数の種類のビタミンと、ミネラルが含まれていることも指摘している。 ・栄養価が高い:ぺレスさんによると、玄米にはビタミンとカリウム、セレニウム、マンガンが含まれているとのこと。また、食物繊維とビタミン、鉄などのミネラルも多く、白米よりも多くのエネルギーを摂取することができる。 ・満腹感を得やすい:食物繊維が多い玄米のほうが、満腹感を得られる。 ・抗酸化物質が豊富:ペレスさんは、糠と胚芽には抗酸化物質が多く含まれていることも説明。研究結果によると、抗酸化作用のあるフェノール酸を含む玄米には、心血管疾患や2型糖尿病、肥満、一部のがんのリスクを低減させる効果も期待できるという。 ・血糖値の低下を助ける:過去の別の研究では、玄米のような全粒穀物には、血糖値を下げ、2型糖尿病の発症リスクを低減させる効果があるとの結果が示されている。 ・心血管の健康増進:抗酸化物質と食物繊維が豊富な玄米をとることは、心疾患リスクの低減と関連しているとの結果を示す研究も発表されている。