世帯年収2000万円ですが、児童手当や高校無償化の「対象外」と思っていた方がいいでしょうか…?
子育てに関する公的な手当てや補助金の多くは所得制限が設けられているため、所得の多い世帯では、当てにできずにがっかりすることも多いでしょう。年収2000万円世帯の場合は、児童手当や高校無償化制度の対象にはなれないのでしょうか。 本記事では、児童手当と高校無償化の所得制限の仕組みを整理するとともに、年収2000万円の家庭が対象になる可能性についてと、所得制限に関する今後の動きを解説します。
児童手当の所得制限の仕組み
児童手当には「所得制限限度額」「所得上限限度額」という、2段階の所得制限があります。 所得制限限度額は、児童手当の支給を満額分受けられるかどうかのボーダーラインです。対象の児童を養育している人の所得が所得制限限度額以上になると、月額1万円または1万5000円の児童手当の代わりに、月額一律5000円の特例給付が支給されます。 所得が所得上限限度額以上になると、児童手当も特例給付も支給されません。 所得制限限度額、所得上限限度額は、対象児童を含めた扶養親族などの数で決まります。目安は表1のとおりです。 【表1】
※子ども家庭庁「児童手当制度のご案内」より筆者作成 世帯年収2000万円の世帯の場合、夫婦共働きで扶養家族が4人以上、世帯主が年収1000万円程度であれば、満額の児童手当を受給できる可能性があります。
児童手当の所得制限は撤廃される方針
日本政府は、令和5年6月に閣議決定した「こども未来戦略方針」の中で、児童手当の拡充策の一つとして、所得制限を撤廃して、全員に満額の児童手当を支給する方針を示しました。また、高校生まで支給期間を延長することも検討されています。 制度が改正されれば、世帯年収にかかわらず、子どもが高校を卒業するまで、児童手当を受給できるようになるでしょう。
高校無償化の所得制限の仕組み
高校無償化の所得基準には、公立高校の授業料相当の11万8800円の支給対象となる所得基準と、私立高校通学者の加算(最大39万6000円)の支給対象となる所得基準の2種類があります。それぞれのボーダーラインとなる世帯年収の目安は、子の人数と両親の就業状況などに応じて、表2のように設定されています。 【表2】