MLB監督が2戦連発の侍J柳田に逆襲宣言「どんな打者にも穴がある」
2018日米野球の第2戦が10日、東京ドームで行われ、侍ジャパンが4番に座った柳田悠岐(ソフトバンク)の2試合連続の一発を含む4打数4安打4打点の大活躍などがあり12-6でMLBオールスターに圧勝した。稲葉監督は「1点の重要性」を試合前のミーティングで説いた。三塁走者を内野ゴロでかえす稲葉野球を実践した上での圧勝には意義があった。それでもMLBのマッティングリー監督は「どんな打者でも穴がある。そこを見つける」と意地の逆襲宣言。0勝2敗からのメジャー軍団の巻き返しにも注目が集まる。
マッティングリー監督から逆襲宣言
もうどっちがメジャー軍団なのかわからない。 4番に座った柳田は、初回に先制タイムリーを三塁線に流すと、3回一死二塁から天井に向けて高く打ち上げた打球は、そのまま左中間スタンドに落下した。 「来た球を打ちにいっているだけ。たまたまですよ。いいアピールになった。4番? 打順は関係ない。今日はリラックスがテーマだった」 いずれも初球の変化球をフルスイングした。 5回にもレフト前へタイムリー。これで4打点。 圧巻は、8回の第4打席。その柳田の規格外のスイングに釣られて、スーパーキャッチが代名詞であるセンターのピラー(ブルージェイズ)が一瞬、打球の判断を間違えて、足が止まり、センター前ヒットにしてしまったのである。 「私は音とスイングを見て打球を判断する。(柳田のように)遠くへ飛ばすバッターの場合、しっかりとアジャストしなければならない。だが、外野から(応援の)音がしていたし、敵地のハンデはあったが、あまりにアグレッシブなスイングで反応が追いつかなかった」 ピラーが言い訳をしなければならないほど柳田のスイングはメジャーにさえ衝撃を与えたのだ。 試合中にテレビ中継にコメントを求められたMLBチームの三塁コーチ“ゴジラ”松井秀喜氏も「凄いね。ベンチでみんなが“止められない”と話している。センターから逆方向にあれだけの距離が出るのは今までの日本人には見られなかった」と絶賛した。 それでも柳田は涼しい顔でリラックス打法について語る。 「打ちたい、打ちたい、となると、上体が突っ込む。いいバランスでの自分のスイングを心がけている結果。集中できている」 日米野球でシリーズ男となっている裏には、菊池涼介(広島)からのアドバイスがあったそうだが、その内容については「内緒!」とにやついた。 真っ青だったのは連夜の敗者会見に引っ張り出されたマッティングリー監督だ。 17安打で12点をスコアに刻まれての完敗である。 「序盤で決まってしまった。1から3回までチャンスを作ることができずに勢いを失った。ピッチャーは、(シーズン終了から時間が経過して)しばらくボールを投げていなかったからね。そこをうまく捉えられた」 笑顔は一切ない。 柳田に対しての質問がでた。 「私は彼が好きだよ。素晴らしい選手だ。いいスイングをする。昨日はセンターに、今日は左中間。いい球をセンターへ打ち返そうとしている。非常にすぐれたバッターだ。だが、こちらからしてみれば危険だ」 連夜の賛美。だが、この夜は、さすがに“逆襲宣言”を忘れていなかった。 「どんな打者にも穴はある。そこを見つけて弱点を突く攻め方をしていかなければならない」 手に死球を受けて途中交代したメジャー屈指の好捕手であるモリーナが、残り4試合で、柳田の穴をどう見つけて、どう攻略するのか。先の日本シリーズで広島が徹底したインサイドへの揺さぶりをかけて序盤は“柳田封じ”に成功したことを誰かが入れ知恵でもするのだろうか。 それとも“ネクスト大谷”として柳田のメジャーにおける評価をアップさせるための日米野球となるのか。