海外勢の現物日本株売り過去最大、指数の下げは小幅-9月第2週
(ブルームバーグ): 海外投資家は9月第2週(9-13日)の日本株市場で、統計開始以来最大となる1兆5000億円超の現物株を売り越した。ただ、この週の東証株価指数(TOPIX)は1.0%下落、日経平均は0.5%上昇しており、大規模な海外勢の売りにもかかわらず相場は底堅かった。
日本取引所グループが20日に発表した投資部門別売買状況によると、海外勢の現物の売越額は1兆5426億円。これまでの記録である2016年3月第2週の1兆1932億円を大きく上回った。
BofA証券の圷正嗣チーフ日本株ストラテジストは「外国人投資家の多くは先週、FOMCや日銀の金融決定会合を前に円高を警戒していた」と指摘した。
第2週は、太陽誘電やロームなど半導体関連銘柄のほか、マツダやSUBARUといった為替感応度が高いとみられる自動車株が大きく下げた。第一生命ホールディングスや第一三共も9%以上値下がりした。
一方、海外勢は日本株の先物を4425億円買い越した。相場の下落を見込んでいた短期の投資家が、いったん買い戻した可能性があると圷氏はみる。ただ、現物と先物を合算すると1兆1000億円の売り越しで、売越額は6週ぶりに1兆円を上回った。7月中旬以降の9週間では8回売り越しており、日本株の先行きに対する海外投資家の警戒感が強いことを示している。
海外勢の売りに対して、相場を下支えしたのが日本の企業と個人投資家だ。旺盛な自社株買い意欲を背景に事業法人の買越額は3073億円と、今年3番目の高水準。個人も2194億円買い越した。
ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストは、「自社株買いがなければ相場はもっと崩れた可能性があった」と述べた上で、当面は不安定な相場が続くとの見方を示した。
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Hideyuki Sano