隙間バイトのタイミーが7月上場、低迷する国内IPO活性化の可能性
(ブルームバーグ): アルバイトのマッチングアプリを運営し、早ければ7月26日に東京証券取引所のグロース市場に新規株式公開(IPO)するタイミーは今年最大の上場規模となる見通しで、低迷が続く国内IPO市場を活性化する可能性がある。
東証は21日、タイミーの上場を承認した。想定仮条件(1230-1430円)に基づく上場時の時価総額は最大約1360億円、売り出し株数約3225万株から試算した資金吸収額は約460億円の見込み。資金吸収額は3月に上場し、今年最大だったトライアル・ホールディングスの450億円に匹敵しそうだ。オーバーアロットメントが行使されれば、さらに規模は膨らむ。
松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは、タイミーについて「働き方の変化を捉えた会社」であり、これまであまり見なかった珍しい業態だと分析。同社の業績はこれまで2倍以上の成長率となっており、成長が維持できることを示せれば、評価されるだろうとみている。
タイミーは登録や履歴書、面接なしに隙間時間で飲食店や物流、小売りなどのアルバイトができる求人マッチングサービスアプリを運営し、働き手不足が深刻な日本の労働市場で人気を集め、ウェブサイトによると700万人が利用している。
発表資料によると、今期(2024年10月期)の売上高は前期比71%増の276億円、経常利益は88%増の36億2300万円となる見通し。22年10月期に経常黒字化を達成して以降、収益の急拡大が続いている。
日本の株式市場は企業改革への期待などを背景にアジア市場をアウトパフォームしているが、IPOに関しては低調だ。ブルームバーグのデータによると、今年1-6月(24日まで)のIPOを通じた資金吸収額は前年同期と比べ約4割減少。さらに足元では、年初からの株高傾向が一服しており、一部の海外投資家は日本株に対し慎重な見方を強めつつある。
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