井岡一翔が大晦日にリベンジ戦を挑むWBA王者が熱発で公開練習ドタキャンも「平熱37度」の大嘘?!…異変を聞かされた元4階級制覇王者は「ああ、そうですか」と一切動じず
「フェルナンド(マルティネス)はプレッシャーをかける選手。どんどんプレッシャーをかけて相手に考えさせない。1ラウンドからすべてのラウンドにそれをやる。とにかく打撃の量が多い。トレーナーとしては時々それをセーブさせたいが、彼自身がいってしまうんだ」 その代償として1ラウンドに井岡に強烈なボディカウンターを打ち込まれた。だが、序盤に井岡の必殺技を知ったことで、その後、ボディを警戒することができ、また井岡を打撃戦に巻き込むこともできた。 マルティネスは今回は12ラウンドの戦いにならないことを宣言している。 参謀は「それはKOの話だと思う。KOは自然に出てくるもので狙ってどうにかなるものじゃない。ただ彼にはライバル(のスキルや動き)を読む力がある、今回も井岡へ与えるパンチ量は多くなる」と手数で負けない方針であることを示唆した。 しかし37.8度の発熱が事実であれば、試合のパフォーマンスへ影響を与えることは避けられない。高熱が出ると関節が緩み、通常のコンディションに戻すのには、熱が引いてから最低3日間は必要になるとされる。前戦では、大方の予想を裏切って後半もスタミナが落ちず激しい打撃戦を12ラウンドまで続けたが、その体力面、体のキレなどには影響が出るだろう。他人の不幸を喜ぶことは、スポーツマンシップに反するが、井岡陣営には追い風が吹いたと言える。 井岡陣営は、すぐさまマルティネスの熱発と、公開練習が中止になったことを井岡に伝えた。 「ああ、そうですか」 井岡の反応はただそれだけだったという。 相手の動向に一喜一憂することはない。 昨年6月に行われたWBA世界同級王者、ジョシュア・フランコ(米国)との再戦の前日計量で、王者がまさかの3.1キロオーバーの失態を犯した時でさえ、井岡は怒るでもなく失望するでもなく「自分がやるべきことをやるだけ」とただ冷静だった。「ああ、そうですか」の反応は、残り5日で「やるべきことをやるだけ」という決意の裏返しだろう。 志成ジムの関係者も「部屋では動いているというから問題はないんじゃないか。もしダメならできるだけ早く、この時点で中止を申し入れてくるはず。インフルの兆候もないと聞いている。もし(29日の)調印式にこなきゃ大変だが」と、それほど、今回の緊急事態を問題視はしていない。 もともとイスマエル・サラストレーナーも、佐々木修平トレーナーも、公開練習を視察する予定はなかったという。7月にもう12ラウンドを戦っているのだから今さら見るものもない、という判断なのだろう。またカラブレッセ氏は「今から病院にいく」と公言していたが、実際には王者は病院へは行かなかった。 「平熱37度」の大嘘に、インフルエンザである危険性さえあるのに、なぜか病院へも行かなかったという事実が何を示すのか。 もしかすると王者は心理戦を仕掛けているのかもしれない。29日の調印式及び公式会見、30日の前日計量で、ある程度の真実は見えてくるだろう。 (文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)
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