那須川天心と戦うモロニーをWBA王者・堤聖也が“恩返し”サポート…スパーリングパートナーを国内から選び抜く【ボクシング】
◇記者コラム「Free Talking」 来年2月24日に東京・有明アリーナでWBAバンタム級2位の那須川天心(26)=帝拳=と同級10回戦を行う前WBO同級王者ジェーソン・モロニー(オーストラリア)を同じ興行で防衛戦を行うWBA同級王者の 堤聖也(29)=角海老宝石=がサポートする。那須川対策として、国内の似たタイプの選手を世界王者の目で選び抜き、スパーリングパートナーとして推薦するという。 「ジェーソンから『パートナーを選んでくれ』と言われていて。身長が同じぐらいというリクエストなんですが、那須川選手はリーチがあるからもっと身長ある選手でもいいと思う。もう何人か考えています」 堤は、モロニーが現WBO王者の武居由樹(大橋)と対戦した5月の試合前にスパーリングパートナーとして豪州に長期滞在してサポート。強い信頼関係となり、10月に堤が前WBA王者の井上拓真(大橋)に挑んだ際はモロニーが約1カ月間にわたって来日し、実戦練習のパートナーを務めて王座奪取を支えた。今回は堤が「恩返し」をする番だという。 モロニーは、武居戦で中盤まで消極的に戦い、それがジャッジに支持されず最終回に武居をストップ寸前まで追い込みながらも判定負けした。その戦いぶりから、左が苦手だという評もある。 ただ、10月に来日した際にモロニーは「武居戦は5年間で1人しかサウスポーと対戦していなくて、感覚がつかめず慎重にやりすぎた。あれが本来の自分だと思ってほしくない」と力説。当時の来日は日本勢との対戦を売り込むという意味もあったが、自ら「中谷潤人選手とやりたい」とアピールするなど、左を避ける姿勢はなかった。 左対策が完成し、堤が送り込んだパートナーとの実戦練習で対日本人ボクサーの戦術も練り上げていく。2月24日のモロニーは那須川にとって、前世界王者という肩書を上回る強敵になりそうだ。(ボクシング担当・藤本敏和)
中日スポーツ