ラグビーを通じて南アフリカと国際交流。八戸市で『第1回南アフリカ交流ラグビークリニック』開催。
12月22日、青森県の八戸市屋内トレーニングセンターにて、『第1回南アフリカ交流ラグビークリニック』が開催された。 このクリニックは、八戸少年ラグビースクールの生徒を中心とした八戸市近郊の小中学生を対象に、国際交流を交えながらラグビーの楽しさやテクニックを体感してもらい、八戸におけるラグビーの普及と地域の活性化を目指して企画された。当日はW杯連覇中のラグビー大国南アフリカから、元トッププレーヤーやトップクラブの現役コーチ6名を招聘。集まった54名の参加者を6歳以下、7~9歳、10歳以上の3つのグループに分け、それぞれの年代に合わせてさまざまなメニューが実施された。 クリニックは「キャッチングとパス」「判断力とコミュニケーション」「ディフェンスとタックル技術」「ボール保持と継続プレー」という4つのセクションで構成され、低学年グループでは子どもたちが楽しんでプレーするための要素をふんだんに盛り込みつつ、ラグビーで重要になるスペースの生かし方やボールを前へ運ぶ意識、仲間とパスをつなぐ重要性などを学ぶメニューを実施。また中・高学年のグループは、ステップワークやすばやくボールアウトするためのスキル、ディフェンスをつけてのパスドリルなどの練習に取り組んだ。 そしてクリニックの最後には、各グループ混合のミックスチームによるミニゲーム(タッチラグビー)も実施。時にはコーチも加わりながら白熱したプレーが繰り広げられ、終わった後に子どもたちが「もっと練習したい!」と詰め寄るほどの盛り上がりを見せた。 クリニック終了後には、八戸ラグビー協会の風穴事務局長と、本イベントのコーチのひとりでIKIGAI SPORTSの創設者であるズキレ・ンクベ氏が、サンタクロースに扮して登場するサプライズ企画も。IKIGAI SPORTSのロゴが入ったミニボールやお菓子の詰め合わせが子どもたちに配られ、全員で集合写真を撮影して閉会となった。 参加した南アフリカのコーチ陣は、練習後自主的にグラウンドを整備する子どもたちの姿にも感銘を受けた様子。「熱心に、そして興奮しながら、私たちの英語や手振りを理解しようとしてくれてありがとう。みなさんの取り組む姿勢にとても感動しました。また必ず八戸に来るので、一緒にラグビーをしましょう」とメッセージを送った。 これに対し指導を受けた子どもたちからは、「走りながらうまくボールをもらうコツを教わった。今後に生かしたい」「もっと上手になって日本代表になりたい」といった声が聞かれた。 今後はこうしたクリニックを定期的に開催するとともに、対象者を高校生や大学生にまで拡大し、八戸、青森、さらには東北全体にラグビー文化を根付かせることを目指していくという。南アフリカとの短期交換留学プログラムも検討されており、ラグビーを中心とした国際交流の輪が、八戸の地で広がっていくことが期待される。