「『反省』はしても『後悔』はするな」この一言に隠されたゴルフ哲学を探る【“甦る伝説”杉原輝雄の箴言集⑥】
「反省」はしても「後悔」はするな
ーー「後ろを振り返るのが後悔。前につなげようとするのが反省。後悔したって始まりませんわ」 ゴルフは間違いなく、ミスをいかに少なくするかのゲームです。ゴルフに完璧はないんです。宮里藍ちゃんの先生、ピア・ニールソンいう人は「54ビジョン」とかいう概念で、18ホールを全部バーディで、のスコアを目指していますが、まだ誰も達成していませんやんか。 つまり、ゴルフにミスはつきもの。そのミスを後悔していつまでも引きずるのは、マイナスでしかないいうことです。そりゃ誰でもミスはいやなもん。大事なときに出れば、悔しいもんですよ。よくミスショットをしてクラブで芝を叩いている人を見かけますが、そうやったところで、ミスショットがナイスショットに変わりますか、といいたい。その試合のためにコースは1年も前から芝を養生させているのに、傲慢な行為ですわね。芝を叩く前に自分の頭を叩けといいいたいですわ。 少し話がそれましたが、打った球はもう取り返しがつかんのです。覆水盆に帰らず、です。反省は必要でっしゃろ。反省は省みたことを次に生かすことと、ボクは解釈しています。後悔は失敗を嘆くことやろ。嘆きからは何も生まれません。自分の弱さを慰めているにすぎません。ボクはミスしたら、仕方ないと反省して、次のショットに神経を集中させますのや。 そもそもアマチュアはハンディというものがあるではないですか。ハンディ10の人は10回もミスを許してくれるんです。それを1回のミスで、くよくよする。くよくよする前に、これからのショットのことに頭を切り替えるべきなんです。 文/古川正則(ゴルフダイジェスト特別編集委員)
みんゴル取材班