10月から火災保険が値上げしたと聞きました。うちのキッチンはIHだし鉄筋コンクリート造の一軒家、庭が隣の家とも離れているのですが、火災保険に加入する必要はありますか?
2024年10月から、火災保険の改定がありました。今回の参考純率は全国平均で13%の引き上げで、過去10年間で引き上げられた中では最大の引き上げ幅になっています。 諸物価も上がってきており、ここでさらに保険料も上がるとなると生活に影響が出てきますので、表題のようなことを考える方もいらっしゃるかもしれません。 本記事では、火災保険についてと今回の改正についてお話しします。
火災保険とは?
火災保険が補償するのは、火災だけではありません。風災・水災などの自然災害や盗難等で、建物・家財道具などに生じてしまった損害も補償します。具体的には、以下のとおりです。 ・火災による損害 ・落雷による衝撃・電気機器への波及損害 ・爆発または破裂による損害、風・ひょう・雪 これに家財道具の保険も加わると、物体の落下・飛来・衝突・接触または倒壊、水漏れ、デモ・労働争議による破壊、盗難、洪水等水災が追加されます。そして、補償の対象は保険商品にもよりますが、図表1のようなイメージです。
<図表1> なお、建物+家財の場合はこの両方が補償されます。
参考純率とは? 保険料とは違うの? 保険料の決め方は?
まず、今回は「参考純率」が全国平均で13%の引き上げであって、「保険料」が13%上がるわけではありません。参考純率とは損害保険料率算出機構が算出するもので、これを基に各社が「純保険料率」を決定します。 純保険料率を決定するにあたって、参考純率をどのように利用するかは各社が決定(独占禁止法の観点から参考純率の使用義務がないため)することですが、多くの会社では参考純率を基準に純保険料率を決めています。 その純保険料率に「付加保険料率」を加えたものが、火災保険の「保険料率」となります。付加保険料率とは事業を運営するために必要な費用、損害保険代理店に支払う代理店手数料、保険会社の利益などから構成されており、これは各社が独自で決定しています。 図にすると、図表2のようなイメージです。