解体が遅れる「新国立競技場」改修問題 今どうなってるの?
2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックのメイン会場となる新国立競技場。1958年からさまざまなドラマの舞台となった国立競技場からの建て替えが計画されています。当初は今年7月から解体工事が始まる予定でしたが、工事業者を決める入札が2度も無効になるトラブルなどの影響で大幅に遅れています。はたして、現在はどのような状況なのでしょう。
12月2日に3回目の解体工事入札
解体工事の入札は、今年5月行われましたが入札価格が予定価格を超過したために不調となりました。さらに2度目の入札ではいったん業者が決定したものの、内閣府の調査で入札書が事前に開封されていたことが明らかになってやり直しが決まりました。 3回目の解体工事入札は12月2日に開札されることになっていますが、解体工事の業者決定を前に、11月5日、メインスタンド上部に取り付けられていた壁画「野見宿禰(のみのすくね)像」の取り外し作業が行われたことが報道されました。近日中にもう1枚の「ギリシアの女神」の壁画も取り外される予定になっています。
2015年10月の着工予定は変わらず
解体工事のスタートは遅れていますが、国立競技場を管理運営する日本スポーツ振興センター(JSC)の広報担当者によると、新競技場の建築工事は「当初の予定通り2015年10月に着工、2019年3月に竣工予定」は変わらないとのこと。2019年(9月~10月の開催予定)には、東京オリンピックに先駆けてラグビーワールドカップのメイン会場として新国立競技場が使用されることになっており、完成が遅れるわけにはいかない事情もあります。 解体工事のスタートが半年近くも遅れたため「新競技場の本体建設工事と多少重なる時期ができるかも知れない」(JSC広報担当者)ものの、あくまでも建築工事は予定通りに進むはず、ということです。そもそも、8万人収容規模が計画される大規模な建築工事で、予算や工期が計画通りに進められるかと危惧する声もあります。2015年10月の本体工事スタートが遅れれば、さらに工事の条件が厳しくなってしまいます。