「お客様は神様ですか？」12話より

販売の仕事で体験した出来事や日常で感じたことなどを漫画に描き、X(旧Twitter)やInstagramで発信しているタジマオオカ(@pu92yu)さん。店舗で働いているとさまざまなお客様や場面に遭遇するという。なかでも、顧客の優位な立場から従業員に対して言い掛かりや理不尽なクレーム、侮辱などをする迷惑行為「カスタマーハラスメント」(以降、カスハラ)について描いた漫画「かすはら物語」や「お客様に助けられた話」が大きな反響を呼んでいる。思わず「怖い」と身震いする場面も少なくなく、多くの共感の声が寄せられている。 【漫画】「お客様は神様ですか？」を読む ウォーカープラスでは「かすはら物語」をリメイクし、「お客様は神様ですか？」と題して連載中。タジマさんが実際に体験したカスハラや、販売員に対するお客様からの無理なクレームや言動に悩み、対応を考え続けた日々についてお届け。 今回は、タジマさんが上司にカスハラについて打ち明けたときの話を、インタビューを交えながら紹介する。 ■感じる上司との温度差 ――カスハラについて相談しようと決めたタジマさんはすぐに上司に話そうとしますが、その上司は新たな「カスハラの種」となりそうな話を持ち出してきます。高価な紙袋の話を聞いたとき、タジマさんはどのようなお気持ちでしたか？ 「当然ですが会社はいかに単価を上げるか売上を上げるかしか見ておらず、そこに現場の私達の存在はありません。見ている景色が全然違うなぁと改めて感じました」 ――その上司に以前警察に通報した駅構内での出来事について問いただした際、「うちの会社はお客様第一主義、『お客様は神様』の企業風土だから…」と曖昧な言葉が返ってきます。そのあと、タジマさんは何か思いつめたような表情をされていますが、どのようなことを考えていたのでしょうか？ 「それまでに別件で何度か本社会議に出ていましたので、会社の方針自体はわかっていました。でも、その一言で終わらせていい問題なの？と考えていました」 ――これまでタジマさんや他の販売員がお客様から理不尽に言われてきたことを上司に伝えますが、上司はそのときどのような様子でしたか？ 「理不尽に言われたことを訴えたときの上司は戸惑いというか困惑というか、すぐには理解をしていないような感じでした」 改めてタジマさんに「お客様は神様」という言葉について尋ねると、「『お客様は神様です』という言葉の由来も意味も知っています。間違った使い方をされていると思います。この言葉については現在多くの媒体で取り上げられているので、今後は誤解が無くなってほしいと期待しています。そして同時に、サービスを提供する側も受ける側も同じ立場であるとの理解が広まったら良いなと思っています」と話してくれた。