【衝撃の音声データ】「ヤクザの世界だったら指詰め」…世界的トップブリーダーが犯したパワハラの「壮絶すぎる全容」
週刊現代編集部のもとに寄せられた音声テープには、衝撃的すぎる「パワハラ音声」が長時間録音されていた。しかも、この威圧的な発言者2名のうち、ひとりは世界的に名前が知られているトップブリーダーだった。 【音声】これはひどい…「世界的トップブリーダーの凶行」を聞く この2名とは、浜松市にある「有限会社クランバーアップ」(以下、「クランバーアップ」)の露木浩代表と共同経営者であるブリーダーの見市香緒氏。パワハラ音声は、同社で住み込み勤務をしていた元従業員男性A氏に対し叱責した際に録られたものだ。 前編記事『【衝撃の音声データ】“お前のアソコをちょん切ってやりたい”…元従業員からパワハラで提訴された「世界的トップブリーダーの凶行」』より続く。
唸り声を上げながら机を殴る
「パワハラ音声」が収録されたのは、2023年5月3日の午前2時ごろだった。 突然、A氏が寝泊まりしている住み込み部屋を激しくノックされ、「開けろ」「いるのは分かっている、開けなさい」という声が聞こえた。仕方なく引き戸を開けると、即座に露木氏と見市氏が部屋に入り込んできた。部屋はワンルームで、ベッドには当時の従業員で交際していた女性がいたという。 「そこから午前7時ごろまで続く説教が始まったのです。会社を辞めたがっている私が、女性従業員と交際していることが気に食わなかったのでしょう。露木氏は時おり唸り声をあげながら、大きな音を立てて机を殴っていました。 また、息のかかるほど顔を近づけて私を威嚇するような声をかけました。一方の見市氏は同じことを何度も何度も口にします。どう言葉を返しても、彼らの怒りが収まらない様子でした。 午前7時近くになり、そのまま寝ることを許されず仕事に向かいました。携帯電話は取り上げられ、データを消されもしましたが、何とか部分的に復元することができたのでホッとしたことを覚えています。最終的に親に会社まで来てもらい、ようやく辞めることができました」
母校にまで「妨害活動」
すると、辞職後に見市氏は驚きの行動に出る。自身のSNSで、ウソが散りばめられたA氏に関する誹謗中傷を始めたのだ。そのうえ、彼女はA氏の母校(『クランバーアップ』を紹介した専門学校)にも、A氏がいかに不適格な人物であるのか連絡を入れたという。 「間違った事実が一人歩きすることを止めたくて、提訴することを決意しました。私が声を上げない限り、ケネル内での実態というものが誰にも理解されないままになってしまうと思ったからです。この業界は狭いので、権力のある人に嫌われると犬の業界で働くことなど出来なくなります。実家に戻り、数ヶ月の間は心療内科に通院をしながら部屋に籠る生活を続けました」 以上が「クランバーアップ」を提訴した、元従業員男性A氏の証言である。閉鎖的で過酷な労働環境の下、肉体と精神を削りながら犬舎で働いていた様子が伺える。彼ら従業員の犠牲のもとで「クランバーアップ」は維持されていたのだ。 本誌は告発した元従業員以外にも、複数の元従業員や関係者に取材を行っている。ある元従業員は、「世間での評価は高いが、実態はパピーミル(悪徳ブリーダー)と同じでした」として、こう続ける。 「ほとんどが従業員まかせで飼育に関わらないのです。どの子が発情しているのかも知りませんし、誰と誰の子であるのかも分からないまま、譲渡のときにだけ顔を出す。あまり犬を獣医にも見せないので、心臓などの病気にかかる子も多かった」 いま、パワハラについて世間の目が厳しく向けられていることは論を俟たない。2022年4月からは、すべての事業者に「パワハラ防止措置」が義務化されている。社内でパワハラ被害が発生した場合、これまで以上に経営者の責任が問われ、慰謝料や損害賠償額が高額化することになったのだ。厚生労働省の定めたパワハラの定義には、以下の3つが主要な条件として並んでいる。 ・優越的な関係を背景とした言動 ・業務上必要かつ相当な範囲を超えたも ・労働者の就業環境が害されるもの 音声の内容を聞く限り、上記の条件は満たしているように思える。