「マイナ保険証」高齢者施設&歯科医院で浮かぶ問題点
■「お薬手帳のほうが楽」という声も
横浜市にある中川駅前歯科クリニックも、苦悩しています。 歯医者を訪れた80代女性がマイナ保険証で受け付けますが、暗証番号を忘れ、顔認証にするも身長が足らず。結果、従来の保険証で受け付けました。 二宮威重院長 「もし顔認証が合わない場合、暗証番号を打たなければいけないので、そのわずらわしさからマイナ保険証を使う人が増えないのが現状」 中川駅前歯科クリニックでは去年、およそ10万円かけてマイナ保険証のシステムを導入しましたが、利用者は1割に満たない状況です。 マイナ保険証を利用(60代) 「お薬手帳がいらなくなったら楽。(マイナ保険証で)それが全部分かると。薬をもらう時って、違う場所でもらうと、(お薬手帳に)毎回書くじゃないですか、あれがなくなるといいかなと」 マイナ保険証の大きなメリットの一つが、過去の診察や処方された薬の情報が分かること。 二宮院長 「お薬手帳を見ればすぐ済むので、はるかに楽。(マイナ保険証の情報を)実際に使うことはない」 ところが「従来のお薬手帳のほうが楽」とは、どういうことなのでしょうか。 中川駅前歯科クリニックでは去年、マイナ保険証に対応するシステムを導入しました。 二宮院長 「マイナ保険証をかざすだけで、住所、氏名、保険者番号が提示される。打ち間違いがないというメリットがある」 もう一つのメリットが、診察や薬の処方の情報共有ですが…。 二宮院長 「例えば先週、風邪をひいて抗生物質をもらったとか、そういう時はお薬手帳を見れば、すぐ(履歴が)出てくるが、マイナ保険証だとそこまで提示されないので不便」 現状のシステムでは、処方されてからシステムに反映されるのに一カ月ほどかかるため、直近の履歴はお薬手帳で確認するそうです。 二宮院長 「お薬手帳で完結しているので、すごく便利なので、それ(お薬手帳)で十分」
テレビ朝日