歓喜の日大藤沢イレブン

　令和6年度関東高校サッカー大会神奈川予選準決勝2試合が5日、川崎市UvanceとどろきスタジアムByFujitsuで行われた。 【フォトギャラリー】日大藤沢 vs 東海大相模 　第1試合では日大藤沢と東海大相模が対戦。試合は4大会連続関東大会出場中の日大藤沢が2-1で勝ち、決勝に駒を進め今月25日から千葉県で開催される関東大会への出場権を得た。 　布陣は双方4-2-3-1のミラーゲームとなった。ゲームが動いたのは立ち上がりの前半6分。日大藤沢はCKからこぼれ球を拾ったMF11岩内類(3年)が決め、先制した。出鼻をくじかれた東海大相模はショートカウンターとロングフィードから好機を演出。なかでもFW9山田大樹(3年)が果敢に右サイドから攻撃の起点を作り、15分には惜しいシュートを放った。 　双方攻め合うなか、日大藤沢は35分、MF8徳永壱太(3年)のパスを受けたMF7宮澤朋哉(3年)が持ち込みシュート。これが決まって2点目。試合を優位に進めた。 　2点差とされた東海大相模は前半の残り時間で3度CKから得点機を狙ったが、日大藤沢が守りきって試合を折り返した。 　後半は前半以上の中盤での攻防が続いた。3点目を狙う日大藤沢は持ち前の運動量と選手間の適正な距離感を保ちながら、奪ったら即攻撃のスタイルを貫いたが、32.6℃の暑さもあり、機動性を維持しづらくなった。一方東海大相模が時間の経過とともに徐々に前への圧力を強め、後半25分以降は主導権を握り相手を押し込む展開に引き寄せる。 　迎えた終了間際の後半39分、ペナルティエリア付近でFKのチャンス。これをMF5佐藤碧(3年)が直接決め、1点差に迫ったがあと一歩及ばなかった。 　勝った日大藤沢の佐藤輝勝監督は「前半、選手たちはパーフェクトにやってくれました。自分たちのプラン通りでした」と評価する一方、後半、相手に押された時間帯が続き、失点した点について「直接FKは相手を褒めたいです。ただこちらも3点目が取れるチャンスはありました。追加点を取るところは突き詰めたいです。日本一を目指すうえで、全国の相手と対戦するなかで耐える時間は出てきます。その意味ではきょうはよく凌げました」と総括した。 　そして「一度決定機を外したので、決められてよかったです」と胸をなでおろしたのは2点目を決めたキャプテンMF7宮澤。右サイドからゲームメイク。攻撃はほぼ宮澤を経由して展開されることからチームメイトからの信頼の厚さが感じられた。 　その宮澤、聞けば、身長157センチと小柄な選手。しかし、本人はまったく苦にしていない。 　「身長は言い訳にしたくないです。逆に武器だと思ってプレーしています。小さい身体を生かしたドリブル、身体の使い方を心がけています」と宮澤。運動量、機動性とともに相手のマークをいなしながらの配球やドリブルに工夫のあとがある。 　今季のチームの目標は『超越』。 　宮澤は「昨年、一去年と関東大会予選では準優勝だったので、ひとつ超えられるチャンスを獲得できました。優勝して関東大会に向かいたいです」と来る決勝に向け胸を躍らせた。 (文・写真＝佐藤亮太)