北欧の巨匠アアルトがフランスで手掛けた名作住宅をミナ ペルホネンのデザインが彩る展示が開催中
1959年にアルヴァ・アアルトとエリッサ・アアルトによって手掛けられた個人邸兼ギャラリー、ルイ・カレ邸。アートコレクターである施主のために建てられ、フランスに唯一現存するアアルト建築として知られています。 【写真集】アアルトの名作ルイ・カレ邸をミナ ペルホネンのデザインでコーディネート! そんなルイ・カレ邸で現在開催されているのが、ミナ ペルホネンとヘルシンキが拠点の建築家エサ・ヴェスマネンによる展覧会「Dialogue」。ミナ ペルホネンとヴェスマネンとのコラボレートがスタートしたのは2019年。照明シリーズ「フィノム」を共に制作したのがきっかけでした。今回はフランス・アルヴァ・アアルト協会からの呼びかけで、ルイ・カレ邸を彼らのデザインでコーディネートするという試みを行っています。
室内は、ミナ ペルホネンによるテキスタイルや、新作のラグ、日本でも人気の高いテーブルウェア、皆川 明さんによるアートなど、さまざまなミナ ペルホネンのデザインが飾られています。アアルトの名作家具も、ミナ ペルホネンのテキスタイルをまとい、まったく新しい表情に。今回の展示のタイトルが「Dialogue」であるように、ヴェスマネンとミナ ペルホネンがまるで互いに会話しているようです。 19歳のときに始めて北欧を1人で訪れ、以来フィンランドをはじめ北欧デザインと深い関りを持っている皆川さんは、今回アアルトによる代表作ルイ・カレ邸に自身のデザインをスタイリングすることで、新たな気付きがあったと語ります。 「ルイ・カレ邸は細部にわたってアアルトのデザインが行きわたっていて、滞在中もアアルトの仕事についての発見が常にありました。アアルトのアイデアや、デザインへの新たな試みにあふれた家。今回は展示に際してルイ・カレ邸に宿泊させてもらったこともうれしい思い出です」
またエサ・ヴェスマネンも今回のコラボレートについて、自身とミナ ペルホネンが互いにインスピレーションを得ながらつくり上げた展示だと語ります。 「展示のオープニングで来訪者やスタッフの皆さんから、ルイ・カレ邸の建築に多くの要素が融合し、輝きを放ち、心地よい雰囲気を醸し出している、とコメントをいただきました。展示期間を通し、私たちの作品が共に進化していくことを願っています」 「アアルトは日本を訪れたことはないのですが、日本のアート、デザイン、建築が好きだったことはよく知られています。私はフランスで学び、生活してきましたが、私のデザインのルーツはフィンランドにあり、日本の工芸、デザイン、建築、芸術に深い憧れを抱いています。壮麗なルイ・カレ邸はこの展示において、そういった多様な糸を巧みに織り交ぜていると感じています」とヴェスマネンは続け、アアルトのデザインに深く共鳴することができたといいます。