<頑張れ!只見・’22センバツ>うちにも作って! 応援幕、注文絶えず OBの目黒さん「盛り上げないとね」 /福島
第94回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)に出場する只見を応援しようと、まちの写真館として約40年慕われている目黒邦友さん(65)らが中心となり、応援幕を約40枚作製している。「うちにも作って」と各店舗からオーダーが絶えず、同校OBの目黒さんは「町にとってはお祭りだから、盛り上げないとね」と楽しんでいる。 目黒さんら有志は、只見が昨年12月に21世紀枠の東北地区代表に選ばれた後、「町のみんなのために」と、約1・3メートル四方の応援幕を作成し、店先に掲げた。 1月末の選抜出場決定後は幕に印刷された文字を変えるなどして対応した。その様子を見ていた町民から応援幕の発注が相次いだ。 目黒さんは材料費以外は受け取らない太っ腹の対応をしている。たまたま昨年11月に購入したばかりの大型プリンターを使っており、「フル稼働状態だね」と笑う。 花火を打ち上げる資格も持ち、1月28日の選抜出場決定直後には信号弾を打ち上げて祝福した。なぜこれほど熱いのか。「甲子園出場は奇跡。大人として盛り上げたい。町民が喜んでいる姿を見たら、選手たちもうれしいでしょ」と話す。 目黒さんは在校時、器械体操部に所属しながら2年時に写真部を設立した。当時は1学年2学級の約80人が通っていた。入学前年の1971年にはJR只見線が全線開通し、新潟県から通う同級生もいたと振り返る。 あの時のような活気をもう一度。そんな思いもある。「選手たちはどんな試合になっても笑っていてほしい。甲子園に行った経験をお土産に帰ってきて」。柔和な笑顔でエールを送る。【三浦研吾】