正社員ですが「退職金」がありません。年収300万円なら「正社員」より「派遣社員」のほうが収入も増えて良いでしょうか?
正社員といっても、勤め先企業によって待遇は異なります。年収もあまり高くなく、なかには長期間勤めても退職金が受け取れない企業もあるでしょう。そのような環境にいれば、派遣社員として働いたほうがよいのではないかと考える人がいても不思議ではありません。 今回は、退職金のない企業で働き、年収もさほど高くない場合、派遣社員として働いたほうがよいのかということについて考えます。
正社員のメリットとデメリット
厚生労働省の「令和5年就労条件総合調査」の結果によると、退職金制度を設けていない企業は、24.8%でした。少数派ではあるものの、正社員だからといって必ずしも退職金が受け取れるわけではないことは、こうしたデータからもわかります。では、正社員のメリットについて、デメリットとともにみていきましょう。 ・メリット まず、雇用の安定が挙げられます。日本では法律による制限が強く、よほどのことがない限り解雇されることはないと考えられます。また、働き続けていれば、徐々に給与が上がっていく企業が多いでしょう。福利厚生については非正規社員でも受けられる企業もありますが、正社員のほうがより恩恵が得られるのが一般的です。 非正規で働く人よりも、クレジットカードやローンの審査に通りやすい傾向がある点も否定できません。また正社員であれば社内の教育や研修などが充実しているケースも多く、成長の機会が得られる点もメリットです。 ・デメリット 正社員は、労働の時間や日数が多くなるケースが多々あります。代表的な例が、残業や休日出勤です。これらによりプライベートを優先しづらい点は、一つのデメリットと言えるでしょう。 業務量も非正規社員より多い傾向があり、また、責任も重くなりがちです。異動や転勤の可能性も否定はできません。自分の希望が受け入れられないケースも珍しくなく、正社員であるにもかかわらず、思うようなキャリアが形成できない人も少なくないでしょう。