「自分は10億なんてすぐ稼げる」就職マッチングサイトで「外資系即戦力人材」を採用した企業の「悲惨な末路」
プロジェクトを「盗んだ」
竹内が去ってから数ヵ月後に、驚きの情報がもたらされました。なんと、競合であるB社が、A社の進めていたプロジェクトと酷似した内容の新規事業を進めているという情報が入ってきたのです。裏は取れないものの、竹内はB社にも関わっていたとの噂です。 「竹内はそのプロジェクトには関わっていませんが、うちで関わっているスタッフと何回か飲みに行っていたようなんです。フルリモートで業務委託を請け負っておきながら飲み会にはノコノコ出てきていました。ご丁寧にキャバクラまでおごっていたとか。うちのスタッフは上機嫌になって、悪気もなくプロジェクトの内容を話してしまったようです。竹内はそれを自分のアイデアであるかのようにB社に売り込んだのではないでしょうか」(安東さん) 狭い業界であるほど、似たような事業をやっている会社が同じような役割の仕事をする人を募集していることがあります。そこを狙ったのでしょう。 「かりに私の想像通りなら、守秘義務違反で信義にもとる行為ですが、損害が出ない限り裁判沙汰にもできませんし、そもそも情報が外に出たころにはBRSは関わっていませんので、バレることもありません。仮にバレそうになったら、契約の解除を申し出て逃げればいいだけですので、怖くも何ともありません。まともな成果を出すことよりも、時間稼ぎをして月額報酬を引き延ばして最後に手切れ金を取ることが目的なので、色々なことを容易にできてしまうのでしょう」 それにしてもなぜ、会社はこんなBRSにまんまと引っかかるのでしょうか。続きは後編『「大手外資系エリート」を名乗ってベンチャー企業をカモにするケースが急増中…その「巧妙な手口」』にてご紹介します。
中沢 光昭(経営コンサルタント)