「自分は10億なんてすぐ稼げる」就職マッチングサイトで「外資系即戦力人材」を採用した企業の「悲惨な末路」
即戦力だと思ったら…
ひょっとして現職で何か問題を起こしたり、外資系にありがちな事業撤退に巻き込まれたりとか、何か事情があったのだろうか…?不安に感じた安東さんはその点をストレートに質問しました。 「ところが慌てることなく、『新しいことに挑戦を続けたい』と。さらには『十分に蓄財も運用もできてるから、お金は二の次なんです』と実に前向きなんです。しかし、今思えばこちらにとってそんな都合のいい話はあるのか? という内容ですが、その時は『おお、なんという人格者だ』なんて思ってしまったんですよ」(安東さん) 安東さんの戸惑いを察したのか竹内は、凄腕営業マンらしく、クロージングにかかります。 『失礼な言い方になるかもしれませんが、本来自分は高い報酬を求めるのが筋なのかもしれません。ただ、できたばかりの御社にそれはそぐわないでしょうから』『業務委託契約で月10万~20万円くらいから、お互いに様子を見ながらとりあえず始めませんか? 期待に応えられなければいつでも契約解除してもらっても構いませんよ』と切り出してきました。 A社にしてみれば、渡りに船です。ネットワークもありそうで経験も実力もありそうな人材を、そこまで負担にならない金額で取り込めるのですから、拒否する理由もありません。結果、すぐに業務委託契約者として動いてもらうことになったのです。 しかし、安東さんたちの喜びは長くは続きませんでした。それどころかA社の社長からは後日、「お前、なんて輩を入れてきたんだ」と責め立てられることになってしまったのです。 「竹内は3ヵ月経っても全く結果を出せません。定期報告会では『どこそこの代理店が実は社長が嫌いだったといって言うことを聞かない』だの『スタッフのレベルが低すぎて、進むはずの商談を進められない』だの『コロナに罹った』だの……毎回自分以外の誰かのせいにして、のらりくらりとかわします。私自身もメールの返事が遅かったから商談がひとつ流れたとこじつけられました」(安東さん)