やっぱり私は「NTT株」を持ち続ける…「新NISA」でたとえ含み損になっても焦る必要はないワケ
NTTが株価を下げている。新NISAで投資した人を中心に株価下落への不安の声があがる。NTT株は大丈夫なのだろうか。このまま持つべきか、損切するべきか。高配当株への投資を得意とし、『お得な使い方を全然わかっていない投資初心者ですが、NISAって結局どうすればいいのか教えてください!』(すばる舎)などの著書がある桶井 道(おけいどん)氏にが解説する。 【一覧を見る】運用資産1億円の投資家が保有する115銘柄を一挙公開…! 桶井氏は、世界の高配当株および増配株に多く投資しており、NTTは彼の国際色豊かなポートフォリオのなかでも上位だ。今後もそれに変わりないと言うのだが……。
新NISAでNTTに投資したのは失敗か?
NTT株が軟調で話題です。足元では多少回復基調にあるもののネットでは不安の声を多く聞きます。 NTTは、2023年7月に、株式分割(1:25)を行い、1株ならペットボトル飲料と変わらない価格になったことで話題を集めました。100株でも2万円以下で買えることから、新NISAとの相性が良く、2024年に投資した方も多いでしょう。手ごろな金額で投資可能で、2024年1~2月まで株価は上昇していましたので、安心して投資できたと思います。 ところが、今春以降一転して株価は下落しています。よって、新NISAで投資した人の多くが含み損を抱えておられるのではないでしょうか。チャートのトレンド転換ではないかと、投資初心者の方が不安を感じるのは無理もありません。 とはいえ、私はNTTに対する評価を変えていませんし、不安もありません。たしかに、目先の株価が軟調であり、政府が防衛費調達のためにNTT株の売却を検討する報道もあり、需給の観点から悪材料はあります。とはいえ、株価は長期では企業価値にリンクしてきます。NTTという企業自体には特に悪い変化を感じません。 ここでNTTがどんな会社かおさらいしましょう。NTTは、誰もが知る日本を代表する大企業で、通信業界ナンバーワンです。正式名称は、日本電信電話株式会社といいます。元は国営企業で1953年に日本電信電話公社として設立され、1985年に民営化されました。傘下に、NTT東日本、NTT西日本、NTTドコモ、NTTコミュニケーションズ、NTTデータなどを有します。連結子会社は967社にも及びます。 連結営業収益(売上高)は13兆円3,746億円、営業利益は1兆9,229億円、当期純利益は1兆2,795億円、従業員数は約33.8万人(いずれも2024年3月期)を誇る巨大グループです。研究開発部門を有する通信会社は世界で類を見ないといわれており、NTTグループが取得してきた特許の数(累計)は1.9万件もあります。日本株の時価総額ランキング(2024年6月末日付)は10位で大型株です。