変更申請は来月2日まで 順天堂大学の新病院で県 大学側は7月に2027年11月予定の開院を20カ月延期する資料などを通知 県は速やかに申請書を提出するよう要請も未だ提出されず
大野元裕知事は19日の定例会見で、埼玉県さいたま市の美園地区に新病院の開院を計画する順天堂大学に対し、病院整備計画の変更申請の提出期限を12月2日に設定したことを明らかにした。大野知事は「現時点では約束通り竣工(しゅんこう)することになっている。仮に延期するにしても、早期開院への思いを持っているとすれば、早期に申請書を出す必要が出てくる」と、提出の遅れが開院の遅れにつながるとの見方を示した。 順天堂大学医学部付属病院の整備予定地【写真2枚】
7月31日にメールで、8月1日に文書で順天堂大学の小川秀興理事長から大野知事宛てに届いた通知では、実施設計者が大学に提示した2186億円の総事業費と2027年11月予定の開院を20カ月延期する工期の資料とともに、「事業計画の見直しが必要との結論に至った」と、申し出に理解を求める内容が示された。 県は申請書を速やかに提出することを要請した文書を8月26日付で発出。翌27日の会見で大野知事は「結論だけ述べられていて、『具体的に何をどう見直すか、見直しにどの程度の時間を必要とするか明確ではないが、申し出について理解・検討を』と言われても、何を言っているのか分からない、というのが正直な印象」と厳しく指摘していた。 いまだに申請書が提出されない状況に、県は10月25日付で、計画変更を希望する場合は12月2日までに変更申請書を提出することを求めた文書を発出。会見で大野知事は「速やかに提出するよう求めたが、われわれの感覚でいう速やかではなかった。今もって正式な回答、申請書の提出はなされていないが、大学側から『準備を進めていく』と聞いている」と要請に至った経緯を説明した。
県保健医療政策課は「確認しているのは7月に提出された文章のレベルの内容。価格高騰による内容の見直しについて具体的なところはお伺いできていない。変更計画書の内容をしっかり確認したい」と話した。