<玉置玲央>クズ役は“お手の物”も新たな可能性の扉 「光る君へ」道兼に感じたやりがい “表情筋”演技は「無意識」
吉高由里子さん主演の大河ドラマ「光る君へ」(NHK総合、日曜午後8時ほか)で藤原道兼を演じた俳優の玉置玲央さん。道兼は、1月7日放送の第1回のラストで、自分を抑えられず主人公・まひろ(吉高さん)の母・ちやは(国仲涼子さん)を殺めるなど、「起爆剤」として物語の盛り上がりに大いに貢献してきたが、そんな彼にもついに最期の時が……。途中、弟の道長(柄本佑さん)に救われ、生き方を改めたものの、序盤は「クズ」の名をほしいままにしてきた道兼について、玉置さんが振り返った。 【写真特集】顔つきがまるで別人! 玉置玲央のすごさを見せつけた? 道兼の最期に映っていたもの
◇初回“ちやは殺し”のインパクト 周囲の肯定的な声が力
道兼は、道長の次兄。ちやはを殺めたことをきっかけに、信奉する父・兼家(段田安則さん)に言われるがまま、一家の「汚れ役」を担うようになり、花山天皇(本郷奏多さん)の退位の際にも暗躍した。その後、兼家が後継者に長兄・道隆(井浦新さん)を選んだことから、自暴自棄となるも、道長の言葉に救われてからは、民のことを思うようになり、関白にもなるが、その矢先……。
時に視聴者のヘイトを一身に集め、時にあわれな姿をさらし、同情さえも誘ってきた道兼だが、やはり第1回の、“ちやは殺し”のインパクトは大きかったように思う。玉置さんは「1話で視聴者の皆様が離れちゃうのが不安だった」と明かす。
「僕は100人見てくださる方がいらっしゃるとしたら、100人全員に見てもらいたいし、見ていただくだけではなく、面白いと思ってもらいたい、満足してもらいたい、そこに到達するためにできることがあれば、何でもやるっていうタイプなんです。だから、そういった考えを持っている人間は、100人いたのが 99人にって感じで一人減っても嫌なので、不安だったしプレッシャーもありました」
あくまで理想は理想だと、玉置さん自身も認めるが、周囲の肯定的な声が力にもなった。
「物語の流れとしても、道長とまひろの運命としても大事な出来事ではあったのですが、心強かったのは共演者の皆さんやスタッフの皆さんがものすごく肯定してくれたこと。『これでよかったんだ、大丈夫だったんだ』と思わせてくれたのは、ありがたかったですし、このまま道兼というヴィラン、ヒール役をまっとうしようと思えたっていうのはあります」