<玉置玲央>クズ役は“お手の物”も新たな可能性の扉 「光る君へ」道兼に感じたやりがい “表情筋”演技は「無意識」
◇顔に関して「こんなに反響があるとは思っていなかった」
ある意味、人としては弱く、嫌われ役でありながら、思わず感情移入してしまう人間臭さも魅力だった道兼。玉置さんの豊かな表情(筋)演技もたびたび話題に。
「顔に関してもこんなに反響があるとは思っていなかったんです。確かに、少し過剰にやっている部分はありますけど、そんなに目とか、表情筋を使っているつもりはないので。だからあまり意識はしてないんです」
一方で、4月7日放送の第14回で、兼家から後継者に選ばれず、父親に向かって「この老いぼれが……」と切り出し、憎しみに満ちた憤怒の表情で「とっとと死ね!」と言い放ったシーンについては「自分でもすごいと思いました。こんなに顔を動かす必要ある?って」と告白。
「でも、撮影中はそんなことはまったく考えていなくて、事前のリハーサル、ドライ(・リハーサル)で『こういう顔しよう』とも思っていない。でも、あのセリフを言うとああなっちゃうみたいで。すごく自分のことを棚に上げて、かつポジティブにとらえるならば、道兼をやろうとするとちゃんとああいう顔になるんだなって。結果、よかったなとは思っています」
◇「本当はいい人の役、やりたいんですよ(笑い)」
「光る君へ」が、「真田丸」(2016年)、「麒麟がくる」(2020年)に続く、3作目の大河ドラマで、昨年2月の出演発表の際「『真田丸』では切腹を、『麒麟がくる』では火縄銃の分解と組み立てをやらせていただいたので、今回も何か普段やらないようなことをやらせていただけたらなあと思っています」と語っていた玉置さん。
改めて、道兼役にどんなやりがいを感じていたのだろうか……。
「結構、クズの役多いんですよ、殺人犯かクズを結構やっていて、言い方あれですけど、“お手の物”なんです。その点では、(脚本の)大石静先生からもお墨付きといいますか、『ぴったりな役あるのよ』といただいた役なので、そもそも『よしやるぞ!』という気持ちはありました。で、ふたを開けてみたら『おい、なかなかじゃねえか』っていう。でも今回、周囲から肯定の言葉をたくさんもらえて、改めてクズ役でもっといっぱいやれる、いろいろなやり方があるし、いろいろなクズを自分はやれるんだなって思えたというか。それは、この作品のやりがいでもあったし、今後のやりがいにもなりました。でも、本当はいい人の役、やりたいんですよ(笑い)」