「不審物が見つかりました」EURO開幕前のドイツで空気がピリついた瞬間「どうかスタジアム内で待機していてください」【現地発】
「ここは誰も通すなと言われています。ご理解を」
実際に6月3日にニュルンベルクで行われたドイツ代表とウクライナ代表では空気がピリつく瞬間があった。0-0の引き分けで終えた試合後、ミックスゾーンへと移動し、選手インタビューの準備をしていたところ、突然大きな音で場内アナウンスが流れてきた。それは警察からの緊急アナウンスだった。 「スタジアム外で不審物が見つかりました。警察としてこの事態を深刻にとらえており、現在対処しているところです。こちらからアナウンスがあるまでどうかスタジアム内で待機していてください」 何が起きたかの詳細な情報はない。警察の言うように、アナウンスがあるまで待つしかない。幸いなことに30分ほどで警察から「スタジアムで待機の皆さん、もう大丈夫です。危険物の可能性はないことが確認されました。気をつけておうちにお帰り下さいませ」とのアナウンスが入り、みんなでホッと一息ついたものだ。しばらくしてドイツとウクライナの代表選手、スタッフを乗せたバスも無事に出発していった。 そういえば、試合終了後ミックスゾーンへと移動する時にちょっとした押し問答があった。ブンデスリーガの取材だと記者席からダイレクトでミックスゾーンへ行けるのだが、今回は動線が違い、一度外へ回らないといけない。ミックスゾーンの手前でロープが張られ、複数のセキュリティスタッフがそこに陣取っていている。 取材陣が「ミックスゾーンに行きたいんですが」といっても、「ここは誰も通すなと言われています。ご理解を」だけで取りつく島もない。結果としてしばらく待ったらロープも外され、僕らは無事ミックスゾーンへと行くことができたが、正直最初は「融通が利かないなぁ」という思いがないわけではなかった。慣れとは怖い。でも試合後の騒動があった今、セキュリティの大切さを改めて感じた次第だ。 セキュリティの手順が確かに堅実にされるべきなのは間違いない。欧州中から、世界中からサッカーファンが集まってくるサッカーの祭典。せっかくの国際大会を心ゆくまで楽しんでもらえるために、不安要素をしっかりと取り除き、それぞれがストレス少なくEUROを楽しめるようにと裏で懸命に動いている人もたくさんいるのだ。 取材・文●中野吉之伴
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