アメリカ大統領選挙は「経済こそが大事、バカモン!」トランプ氏圧勝の背景は…「民主党エリートは国民から遊離」との指摘も
ハリス陣営は経済問題に対応できず
実はこの4年間、マクロ経済は決して悪化していたわけではなかった。インフレ率は下がり、株価は高騰し、失業率は改善されていた。ハリス選対も「経済は決して悪くはない」と訴えたが、現実にスーパーで鶏卵1ダースが3ドル82セント(約573円)マクドナルドのビッグマックが5ドル29セント(約850円)レギュラーガソリン1ガロン(3.785リットル)が3ドル10セント(約465円)という物価は、米国の基準から見て決して「安くなった」とは言えない。 「有権者は小切手帳と相談しながら投票する」とよく言われるように、米国の有権者の多くは、経済と言っても身近な問題でバイデン・ハリス政権の政策に対する評価を下していたようだ。 そこでハリス政権は、住宅を初めて取得する人に2万5000ドル(約375万円)の頭金を補助するという公約を提示した。若い世代へのアピールもあったようだが、これには既に住宅を購入した人たちから「私の税金を新規購入者に使うのは不公平だ」と反発が出て、この公約は立ち消えになってしまった。 結局ハリス陣営は、トランプ前大統領を「独裁者」「現代のヒトラー」「民主主義の崩壊者」と攻撃することで選挙を戦わざるを得なかったが、その結果が今回の大差の敗北につながったとも言えそうだ。
「民主党エリートたちは完全に国民から遊離」
ハワイ選出の下院議員で民主党から大統領選挙にも出馬し、その後離党したトゥルシー・ギャバードさんは6日、FOXニュースに出演してこう言った。 「民主党のエリートたちは、いま偉大な景気回復にあるのに、なぜ国民が理解せず感謝しないだろうと思っています。完全に国民から遊離しているのです。この4年間の国民の苦労を理解していないのです。彼らは象牙の塔にこもってケーキを食べて国民を見下し『何で騒いでいるのかわからない』と言っているのです。一方、トランプ(前)大統領は現場に出て国民の声に耳を傾け『必ず改善する』と約束しました。国民は彼の言葉を信じたのです」 「経済こそが大事なのだ、バカモン!」を忘れたことが、ハリス副大統領の最大の敗因だったようだ。 【執筆:ジャーナリスト 木村太郎】 【表紙デザイン:さいとうひさし】
木村太郎
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