東南貿易が耐熱ケーブルプロテクター開発。超高温下で設備トラブル防止、製鉄所向け拡販
鉄鋼副原料などを扱う中堅商社の東南貿易(本社・東京都中央区、社長・長峯茂氏)は、設備用ケーブルを熱から保護する新タイプのケーブルプロテクターを開発した。ケーブル焼損による設備トラブルを防止できる点などをアピールし、製鉄所設備向け製品として拡販する。 製鉄所では上工程設備を中心に、多くの電力・制御ケーブルが使われている。上工程設備では1千度前後の超高温にさらされるケースもあり、ケーブル焼損が設備トラブルを招くこともある。設備トラブルにつながれば生産性への悪影響は避けられない。 ケーブル焼損を防ぐには、ケーブルに断熱材を巻くのが一般的。ただ、耐熱効果を長期間持続するのが難しい上、断熱材の施工コストがかさむといった難点もあった。 東南貿易が開発したプロテクター「サーモスアーマー」は、断熱材と保護カバーの二重構造によってケーブルを熱から守る仕組み。断熱材の施工方法に工夫を凝らしたほか、ステンレス製の保護カバーで輻射熱を遮ることができる。遮熱と放熱の機能を同時に実現することで耐熱効果が長期間にわたり持続するという。既存製品の組み合わせによる独自の設計手法を駆使して開発し、新タイプのプロテクターとして特許出願中。 コークス炉など上工程設備で1年間にわたり試したところ、焼損は1度もなかったという。従来の耐熱材を巻くケースで年間十数件、焼損が発生したのに対し、手作業による補修が不要になる効果があった。 ケーブルの仕様に合わせて加工・販売するほか、使用中のケーブルをいったん預り、耐熱施工するサービスも提供する。 ケーブル単体の価格は割高となるが、メンテナンス費用などを含めると従来品よりもコスト低減が可能という。取扱代理店のミヤハラ(本社・東京都渋谷区、社長・早川芳彰氏)と協力して拡販する方針。東南貿易は、製鉄所向けに初年度で5千万円の売り上げを見込む。