1974年式アルファロメオ・スパイダー「エンジンのクセが強くて涙目…でも風景が特別になる」建築家・廣部剛司の愛車
車好きにとって、車は単なる移動手段ではありません。仕事でも、プライベートでも、同じ時間を共に過ごす相棒ともいえます。現在、活躍中の建築家やデザイナーの愛車にまつわるストーリーをひも解く連載「クリエイターの愛車」。 【写真集】建築家・廣部剛司が約30年連れ添う人生の伴走車、アルファロメオ・スパイダー 第2回目に登場いただくのは、独特の感性が際立つ住宅や別荘を設計する建築家の廣部剛司さんです。世界中の名作建築を巡った経験を記したエッセイ本『サイドウェイ―建築への旅』や『世界の美しい住宅』を発表。書籍にも収められている、味わいあるタッチで描かれるスケッチの美しさも有名です。 そんな廣部さんは、なんと30年近く同じ愛車に乗り続けているそう。その車の名は1974年式の「アルファロメオ スパイダー」。 【Profile】 ひろべ たけし/1968年神奈川県生まれ。91年日本大学理工学部海洋建築工学科卒業。芦原建築設計研究所を経て、8カ月の建築旅行の後、99年現事務所設立。2009年組織を法人化。現在、日本大学講師。著書に『サイドウェイ 建築への旅』(TOTO出版)『世界の美しい住宅』(エクスナレッジ)。
美しいシルエットのイタリア車を清水買い!
廣部さんがこのスパイダーと出合ったのは、26歳の時のこと。もし、車を買うならイタリア車がいいと考えていました。 「当初、購入を考えていたのはコンパクトなフィアットのパンダでした。イタリア車に慣れるのにちょうどいいのかな、と思って。でも、店にパンダを見にいく度に、近くに置かれている憧れのアルファロメオ・スパイダーをのぞき込んでいる自分に気づいたんです(笑)。同じイタ車で苦労するなら、本当にほしい車に乗ろう、と心を決めました」。 流線型で低いシルエット。2人乗りのオープンカーのスパイダーは廣部さんが子供の頃から抱いていたスポーツカーのイメージに近いデザイン。フェラーリの名車を数多くデザインしたピニン・ファリーナがスパイダーの車両デザインも手掛けたというから納得です。「まさにデザイン買いですよね」と廣部さんは笑います。