【ロード・オブ・ザ・リング】津田健次郎がローハンの戦いで感じたウルフの本質!
ウルフにとってヘルムはただの殺したい相手
――ローハンの王・ヘルムについてはどんな印象がありますか? 津田 「拳ひとつで敵をなぎ倒す強キャラの極み」みたいなイメージがあります。メンタルもフィジカルも圧倒的、さらには人格者と非の打ち所のない王様ですよね。ウルフは、そんな男に拮抗していく必要があるので、エネルギーを高めつつ、同等のところまで行けるように意識しながら演じさせてもらいました。 ――強大な敵を倒すために、自分を高めていく感じに? 津田 いや、そういう感じではないですね。ウルフのモチベーションは単純にヘルム王に対する憎しみから来ているだけなので。ただ「殺す」というその気持ちだけで行動している感じです。ライバルでもないですし、彼を超えたいとも思ってない。普通に卑劣な手も使いますしね。そもそもヘルム王とは比較にならないくらい器の小さい男なので(笑) ――そんなウルフを最後まで支えてくれたターグ将軍についてはどう思われましたか? 津田 忠義者ですよね。もちろん計算づくなところもあったとは思いますが、ウルフが私利私欲で動いているのを理解しつつ、彼を助け続けたわけですから。策士というだけでなく、人格者というすごく魅力的な人物だなと思いました。僕としてはウルフではなくて彼がリーダーであった方が良かったような気がするんですけどね(笑)。なんだろう、カリスマが足りなかったのかな? ――津田さんの分析ではカリスマで考えるとターグ将軍よりウルフの方が上だと? 津田 危ない人は魅力的に見えますからね(笑)。しかも荒くれ集団を率いていく必要があったわけで、カリスマ性と恐怖で部下たちをまとめ上げることができたウルフだからこそ、王国滅亡まであと一歩のところまでいけたと思っています。 ――本作の感想とオススメの見どころについてお聞かせください。 津田 すごかったです。映画『ロード・オブ・ザ・リング』で感じた壮大なスケール感がしっかりと継承されていましたし、実写の埃っぽさというかリアルな質感がアニメーションになっても表現されていて。中でもラストの怒涛の展開はオススメです。スリルとスピード感、伏線回収、さらにはキャラクター同士の感情の壮絶なぶつかり合いと、まさにこれぞ『ロード・オブ・ザ・リング』だと実感させてくれるクライマックスが繰り広げられていきます。ぜひ手に汗を握りつつ楽しんで観てもらえたら嬉しいです。 ――最後に劇場公開を楽しみにしているファンの皆さんにメッセージをお願いします。 津田 映画『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのファンの方だけでなく、『ローハンの戦い』で初めてこの物語に触れるといった方でも絶対に楽しめる作品となっています。特にこのシリーズのファンの方には劇場三部作とのさまざまな繋がりを驚きとともに感じてもらえるはず。壮大な世界観、ファンタジーの醍醐味、火花散る人間ドラマと全ての要素が詰め込まれているだけでなく、その映像美はまさに劇場の大スクリーンで鑑賞する価値のあるものとなっています。ぜひ劇場まで足を運んでいただきますよう、よろしくお願いします。 【PROFILE】 津田健次郎(つだけんじろう) 6月11日生まれ。アンドステア所属。主な出演作はTVアニメ『ラーメン赤猫』(文蔵)、『魔王様、リトライ!』(九内伯斗/大野晶)、『テニスの王子様』(乾貞治)、『チェンソーマン』(岸辺)、『呪術廻戦』(七海建人)、『ゴールデンカムイ』(尾形百之助)、『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』(海馬瀬人)ほか。
ライター 川畑剛