韓国医療に崩壊音…与党も「国民の生死の問題、尹大統領が決断すべき」
「医学部入学定員増員」をめぐる対立の長期化で医療現場のまひが現実のものとなったことで、与党からも尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が自ら事態を解決すべきだとの声があがっている。 医師でもあるアン・チョルス議員(国民の力)は25日、「政府は国民の生死のかかる問題と生計の問題を解決しなければならない」とし、「生死の問題と直結する医療システムの問題をめぐる医政対立の解消のために、尹大統領は決断すべきだ」と述べた。 アン議員はこの日、ハンギョレの電話取材に対し、「問題解決のために大統領室および福祉部の関係者と医学部の教授らの会合を取り持ったが、数(入学定員)を変えられないものだから限界がある。数を変えられるのは大統領のみ」だとしつつ、上のように述べた。 また「このままでは数十年間にわたって積み上げてきた世界的な水準の医療システムがすべて崩壊する。一体どうするつもりなのか、対策はあるのか、政府に問いたい」とし、「医学部増員は合意するにしても、1年猶予して公論化委員会を作り、計画を立てるべきだ」と付け加えた。 ユ・スンミン元議員も前日、「いま最も急がれるのは医療崩壊事態だ。政府が再生させると言っていた必須・救急医療がまず急速に崩壊しつつある」とし、「尹錫悦大統領が自ら解決すべきだ」と述べた。ユ元議員は同日のフェイスブックへの投稿で、「(政府の医学部入学定員増員政策は)診断も誤っていたし、処方も誤っていた」として、「大統領は総選挙直前の4月1日に(医学部入学定員を)2千人増やすべきだと熱弁したが、その後は事態がここに至っても一言もない」と批判した。続けて「一人の固執と意地のせいで、この事態が解決できずにこのまま流れて行けば、その破局の結果は恐ろしいものになるだろうし、国民は大統領の責任を追及するだろう」と述べた。 キム・ジョンイン元非常対策委員長も22日、「自分が分からないことを確信を持って押し通そうとするものだから、様々な副作用が生じるのだ」と述べ、尹大統領を批判している。同氏はこの日のCBSラジオのインタビューで、負傷して夜中に救急室を22カ所もたらい回しにされたあげく断られた経験を紹介しつつ、「医学部増員問題で医療大乱が起き、これ(医療体制)が崩壊すると、政権そのものも維持が難しいと思う」と述べた。 ソン・ヒョンス記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )