内緒で買って、父に隠れて乗ったボクスター すべてはそこから始まった! そんな若きオーナーは今、世界のベンチマークでクルマ道の修行中です!!
人生最初に所有したのがボクスター!
エンジン編集部唯一の20代ムラヤマが担当する連載『若者だってクルマ好き!』。今回は、初めて乗ったときの衝撃が忘れられず、1台目の愛車に勢いに任せてポルシェ・ボクスターを買った松井さん。今は世界のベンチマークでクルマ道の修行中です。 【写真12枚】クルマ修行中の若きオーナーが乗るメルセデス・ベンツC200の写真を見る ◆箱根のボクスター 若者のクルマ好き、というイメージからはいささか保守的なクルマ選びのようにも思えるメルセデス・ベンツC200のオーナーは、26歳の会社員、松井俊樹さんだ。松井さんにとって3台目のクルマだという。 「クルマ社会の岐阜県出身なので、幼いときからクルマは日常にある存在でした。僕が機嫌を損ねたときには、両親がクルマでドライブに連れ出してゆりかご代わりに僕をあやしていたそうです(笑)。だから、心のどこかに、クルマに乗ると心が落ち着くというか、拠り所のような感覚はあったのかもしれません」 それからも、松井さんが育った環境では、クルマはいつも身近なものとしてあったようだ。 「鈴鹿のモートピア(現・鈴鹿サーキットパーク)に連れて行ってもらうことも多くて、特に思い出に残っているのはやっぱりゴーカートですね。自分の手足でコントロールして走れるのは面白いなと思っていました。それに、地域柄、友達にはトヨタ関係の家族も多かったんです。熱狂的にスープラのことが大好きな友達もいたりして(笑)」 そんな友達からの刷り込みもあり、はじめに興味を持っていたのはスポーツカーだというが、具体的に意識するようになったのは免許を取得してからのことだという。 「大学に入ってから、自分のクルマが欲しいなと思うようになりました。ある日、クルマに詳しい友人と“スポーツカーといえばやっぱりポルシェでしょ”という話になり、個人間カーシェアで借りたボクスターで箱根に行ったのが全ての始まりです」 そのドライブが、松井さんのカーライフを狂わせたのだと笑う。 「初めて運転したスポーツカーが、そのボクスターだったんです。背後から押し出されるような力強さやサウンド、ハンドルから伝わってくる振動も、それまで運転したことがあるクルマとは何もかも違いました。クルマが生きているような感覚がとても新鮮で、運転を楽しむために作られたクルマはこんな魅力があるのか! と知ってしまったんですよ」 それから、ボクスターのことが頭から離れなかったという松井さん。2021年5月、大学院修士1年の春に、勢いで買ったのが2004年型の初代ボクスターである。 ◆まさかポルシェを買うなんて 「まさかポルシェを買うなんて、自分でもちょっと信じられなくて。父にも言えず、隠していました(笑)」 研究が忙しくなり乗る時間が取れず、1年後に泣く泣く手放してしまったそうだが、ボクスターと過ごした時間は今でも忘れられないという。 「教習所以来のMT車で、クルマと息を合わせるのには時間が掛かりました。でも、だんだんスムーズに動かせるようになるのが楽しかったし、何より初めてボクスターに乗ったときの興奮を常に味わえるのが最高でした。大雨が降ると窓の隙間から水が入ってきたりしたのもいい思い出です(笑)。とても濃い時間と沢山の思い出を与えてくれたと思います」 その後は、親戚のお下がりの国産軽ワゴン車を足にしていた期間もあったそうだ。「街乗り燃費はとても良いし、取り回しもしやすい。日本の環境にはよく合っていて、普段使いにはこれも素晴らしい道具だと思いました。でも長距離はやっぱり疲れるし腰にくる。ロング・ドライブが好きだから、やっぱり良いクルマが欲しくて」 研究が落ち着き大学院の修了が見えた頃、次のクルマ探しを始めることになる。そのとき松井さんはこんなことを考えていた。 「就職前の春休みには、いろんなところにクルマで旅をしたいと思っていました。だから、第一に長距離の快適性を重視したい。できたら自動追従の機能も欲しいし、頑強さや安全性も大事にしたい。でも欠かせないのは、スポーティでなくても、自分の思い通りに操る感覚がちゃんと味わえるクルマであること。そこで、一度、世界のベンチマーク的な立ち位置のクルマがどんなものか、経験するのも良いなと思ったんです」 そこで選んだのが、今の愛車である、2014年型のメルセデス・ベンツC200アバンギャルド。去年の11月に手に入れてから1年、松井さんにとって最高のクルマだという。 「快適性や運転の愉しさは期待通りでした。移動時間が一瞬に感じられて高速巡航の燃費も良いから、長距離ドライブの機会は確実に増えましたね。思わず遠くに出かけたくなるクルマです。ボクスターのような刺激とか際立った特徴はないけれど、総合的な満足感は今までで一番高いんです。このクルマにもうしばらく乗ったら、次に欲しいクルマの方向性もわかるようになりそう。僕のカーライフにとって重要な判断軸を教えてくれているような気がします」 文=村山雄哉(ENGINE編集部) 写真=望月浩彦 (ENGINE2024年12月号)
ENGINE編集部
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